葉っぱ 昆虫食を考える

2023年3月2日

 先日のBS番組、ゆったり温泉一人旅で、黒川温泉が取り上げられていました。7年前、熊本を震災が襲ったときに、皆様から集まった支援金を、現地で活動している方に届けに行ったのですが、道路が寸断されてたり、被害の大きさを肌で感じました。その時、足を伸ばしてはじめて訪れた温泉地が黒川温泉でした。あいにくの雨でしたが、しっとりとした雑木林の風景が、より雰囲気を醸していて、気分が高揚したのを覚えています。すでに沢山の人が訪れていました。入湯手形なるものを購入しての温泉めぐり。それぞれの温泉に個性があるので、ちょっとしたアトラクションを楽しんでるようでした。
 今回、改めてこの番組を見て、人を引きつける魅力に納得しました。日帰り客が年間100万人、宿泊客は30万人、今や全国1~2位の人気を誇る黒川温泉。しかし、かつては阿蘇・杖立、別府などの大型旅館を抱える温泉地に客を奪われ、規模や利便性に劣るため存亡の危機があったそうです。それを救ったのがUターンなどで戻ってきた2代目の青年たちで、お客様目線で改革に取り組み、乱立する看板を撤去して共同看板にしたり、旅館と旅館の間にあったブロック塀を取り壊して雑木を植え、山の景観に温泉街が一体となるようにしたりと仲間たちが結束して「黒川温泉一旅館」というビジョンを展開したそうです。それは、一般的に店主が他店に口を挟むことはできないのに対し、この「街全部が一旅館」という素晴らしい考え方でした。その結果、女性客を増やし、2002年の日経プラスワン温泉大賞(全国1位)の受賞に始まり、日本温泉遺産100、優秀観光地づくり賞、日本観光協会会長賞、グッドデザイン賞特別賞、都市景観大賞など黒川ブランドを確立していったということです。
 地域のお米や野菜でお客様をもてなし、旅館の生ゴミを利用して完熟堆肥を作る「黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト」でできた堆肥で野菜を作って、それがまた旅館で使われるという好循環。さらに、環境保護の活動として、旅館で使用するシャンプー・石鹸類は河川の水質を守るため、水中の微生物により分解する天然素材を使用し、他の製品の持込み・使用を禁止しています。私も購入した入湯手形は、間伐材を利用し、その累計300万枚は、20万㎡以上それを使用したことになるそうです。
 家の近所に、2年前からオーガニック家庭菜園の体験農場ができてすぐに参加者で一杯になりました。全国には、3年前の調査で、4200箇所あるそうです。ここ最近さらに増えてますので、より多くの方が土に触れる機会を持つようになったということです。マンションなどでもプランターで野菜作りしている人も増えています。世界的に食料難が叫ばれていますが、その結果、こおろぎ食を始めとして、さまざまな昆虫食が提案されていますが、それよりも先にするべきことがあるのではないでしょうか。
 黒川温泉では、2万本の植樹をして、生物の住みやすい環境を整えました。それが生き物にとって住みよい環境だからこそ、様々なイノチが芽吹き、結果として人にも優しいわけです。ですから一人ひとりが、土に触れる機会を作ることが、自分たちを救うことになるのではないでしょうか。これからは、コンクリートで地面を覆うのではなく、何も産まないコンクリートを撤去し、一粒の種を巻くことではないでしょうか。これ以上、森林を伐採発して未来に何が残せるのでしょう。ただでさえ私達は、小さくて弱い生き物を犠牲にして生きています。さらにこれ以上、それらのイノチを奪って良いものでしょうか。霊長類として、毅然と生き抜いていく能力を持っているはずです。
 一粒の種から、すべては始まると思います。