葉っぱ 365歩のマーチ

2022年4月1日

しあわせは 歩いてこない だから歩いて ゆくんだね 
一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩さがる~
 子供の頃よく耳にした水前寺清子のこの歌は、累計で100万枚を超えるミリオンセラーになったそうです。ふと、この歌を思い出したのは、昨年の暮のことでした。
 長久手の耕作放棄地を活用して自然循環型の栽培をしているところでバーベキューをやるから来ないかという誘いをうけたので、久しぶりに父も誘ってみようと思いました。というのも週に5日、ほぼ毎日デイサービスを利用しているので、運動もかね、外の空気を吸ってもらおうと思ったからです。

  最寄り駅まで歩いているときでした.。異変に気がついたのは・・。。それまでの父でしたら、ほぼ同じ歩幅で一緒に歩くはずが、どんどん遠ざかり、しまいには立ち止まってしまいました。体調がすぐれないかと聞くと、そうではない。足が動かないというのです。そしてその場にしゃがみ込んでしまいました。バーベキューどころでなくなりましたが、自宅に車を取りに戻って、助手席に乗せてしばらく休ませていると、ようやく落ち着いたみたいで、参加するというので、そのまま現地に向かいました。
 ここ数年は、デイサービスの往復で、その間、体を動かすことをしてこなかった結果、年齢ももちろんありますが、ここまで動けなくなることを痛感しました。そしてすぐにでも習慣を変えていこうと決めました。
 年が明けて、リハビリのできるデイサービスをケアマネージャーさんに紹介していただいて、週に3回通うことにしました。そして、週2回程度は、父のコーヒー好きを良いことに、家から歩いてモーニングに行くことにしました。そこは1キロほどの距離にあるところで、寒い中を歩調を合わせて歩きます。半分くらいまで行くと、見事に足が止まりました。しかし、足が動かないといいながらでもゆっくりと足を進め、30分かかってようやくたどり着きました。
 それから2ヶ月経ての早朝のモーニングへの道中です。後ろから聞こえる足音が軽快で、乱れなく着いてきます。ちょっとペースを早めてみても変わりません。なんと15分短縮して歩けるようになりました。今では、体調管理のバロメーターとして、モーニングはルーティンとなりました。
 日頃のちょっとしたことで変わるものですね。この間、もう一つ父に関して面白いことがありました。電話をしても電話に出ない。自宅にいるのに、荷物が来ても受け取らないことが頻繁に起こったため、耳が聞こえにくいのではないか?と思い、耳鼻科に連れていきました。そうしたら右耳の機能が落ちていると言われたので、紹介されて補聴器を買うことにしました。しかし、せっかく買った補聴器を着けません。どうして着けないのかと聞くと、音がうるさいと言うのです。それで調整してもらったのですが、その後も着けることをしません。でもはっきり変化があったのは、自分の耳が聞こえにくいと分かったせいか、それから電話に出ないことがなくなり、荷物の受け渡しも問題がなくなりました。
 人間、人に言われると腹が立って治そうともしませんが、自ら弱点を意識することで、日常も変わってくるんだと感じた瞬間でした。まさに一日一歩 三日で三歩 三歩進んで 二歩さがるですね。

しあわせの 隣りにいても わからない日も あるんだね
一年三百六十五日 一歩違いで にがしても
人生は ワン・ツー・パンチ 歩みを止めずに 夢みよう
千里の道も 一歩から はじまることを 信じよう