葉っぱ 日本CI協会、勝又靖彦会長の訃報に接し

2017年9月1日

 マクロビオティックの普及団体日本CI協会の会長であり、桜沢如一氏の最後の直弟子である勝又靖彦氏が7月の終わりに永眠されました。それに伴い、8月の下旬にお別れ会が東京で行われたため、その会に参列してきました。
 今から遡ること6年前の4月頃、桜沢如一氏の命日に合わせてのお墓参りと日本CI協会の勝又靖彦会長による講演会(テーマ:桜沢如一が見ていた世界/楽しく自由なマクロビオティック)があるということで京都に行ってきました。桜沢如一氏が永眠されているのは、京都でも比較的小さなお寺である教蔵院で、墓地もひっそりと佇んでいました。故人の人柄が偲ばれる感じがしました。
 その後に向かった講演会の会場は、京都の夢窓幼稚園。京都の中心部なのに、その周りは木が繁り、大きなアスレチックや土の遊び場が広くとられているなど、癒空間を感じさせました。なんとマクロビオティック、玄米菜食の幼稚園で、毎年遠方からも入園の申込みが殺到しているとのことでした。希望の保護者には、給食の手伝いをしてもらうことで、子どもたちの様子を見られるなどの素晴らしい工夫をしているそうです。そこでの講演内容も素晴らしかったのですが、その後に催された食事会の席で、ちょうど目の前に座られたのが勝又会長だったため、その時の会話内容は今でも鮮明に残っています。その時質問したことで不明な点を、しばらく経ってからわざわざ調べてご連絡下さいました。とくに印象に残っているのは起床時間をお尋ねしたところ、2時半には起きていると笑って答えられたことです。桜沢先生は3時半には自宅の清掃に取り掛かっていたという記事を目にしたことがあったため、弟子として一緒に住んでらっしゃったころは、どうされているのか興味があったからでした。一緒に生活するなかで、早く起きることには慣れたということでしたが、会長の日課は、起きてからの読書、そして奥様とのティータイムがとても貴重な時間だとおっしゃっていました。その後6時頃には家を出て、ゆっくりウォーキングを取り入れて、て会社に向かうとお話しされていました。なんとも豊かな時間の過ごし方をお聞きしながらのその瞬間が、ついに勝又会長との最後の会話となりました。亡くなる直前まで仕事をされていて、夕食をご家族で囲み、翌日の早朝に急逝されたそうです。ご冥福をお祈りするとともに、会長の書籍のプロモーションビデオ「”陰陽の考え方”を身につけて直感力を高める」から一部抜粋して皆さまにも肉声をお届けさせていただきたいと思います。
 「マクロビオティックは、無意識の判断というのはまさに決めているのは食べ物だから、食べ物を自然に調和させれば、無意識の判断が健全になる。現代医学で言えば、自律神経でしょうけれど、そういうものが不自然だと、いつ事故に合うかわからないし、いつ黴菌にやられるかわからないし、非常に危険な状態、無意識の判断が正常に働いてないということなんですよね。やっぱり、桜沢の思想というのは、もちろん健康問題としても広げないといけないし、そういう生き方、指針として、まさにコンパスとして今の時代に広げないといけない。
 マクロビオティックというと、こういう食べ物が食べていいもので、こういう食べ物が悪いものだとい
う、なんか「薬」とは「毒」かみたいな発想で入門者は捉えがちなんですけれども、この世の中に悪いものなどない。絶対的に良いものもない。それをどういうシチュエーションで、どう取るかによっては、善にもなるし、悪にもなる。陰陽とはそういう関係だということを念頭に置いて勉強して欲しい・・・」