葉っぱ 手作り食品

2007年6月1日

毎年、ラッキョウや、梅の予約が入るこの時期になると思い出すことがある。農作物入荷のご連絡が遅れて大変お客様に叱られたことだ。より新鮮なものを漬け込みたいというお気持ちに答えられなかった。悔やんでも、毎年一回しかめぐってこない機会を逃してしまったのである。
年に一度しか出ない作物は、その時期を逃すと手に入りにくい。ましてや無農薬で手間をかけて作っている生産者のものは、余計そうだろう。そして今年もそれを待ってくださる方に、不手際がないようにしたいと思っている。そんな年間行事になっている数少ない手作り食品の主役が今月やってくる。
 古くから「塩梅」という言葉があるが、最近は滅多に聞かれなくなった。塩味と酸味で調理するといい味加減になるという意味で、ほどよい加減のことをいうのだが、その言葉が死語になりつつあるように、手間がかかるこのような手作り食品も、そのうち家庭の年間行事からはずされてしまう日が近いかもしれない。手塩にかけた手作りのものを味わうことが、近い将来、本当の贅沢品となるのだろう。