葉っぱ だれの物差しですか

2004年7月1日

加藤ヒロ子先生から店を引き継いで丸8年となりました。桃栗三年柿八年の8年です。何事も成就するまでに相応の年月がかかるというたとえですが、正直なところ成就という感はなく、なりふりかまわず歩いてきたらもうこんなに月日が経っていたのかという思いです。
おかげさまで喫茶コーナーも、物販コーナーも皆様のご声援をうけ、たくさんの方々に足を運んでいただくようになりました。本当にありがとうございます。
13周年を向かえ、今後も皆様にご支援いただきますようスタッフ一同ますます勉強して参りますのでよろしくお願い申し上げます。

世界の至るところでで無差別なテロが激しさを増している。アメリカを突然襲った貿易センターの惨劇から2年近く経とうとしているが、解決の糸口は一向に見える気配すらない。もともと中東は世界の火薬庫。それはイスラエルとパレスチナの紛争が大きな問題といわれている。パレスチナの領土に突然神に約束された地として領土を侵略したイスラエル。国連の非難決議に対して、アメリカとイギリスがイスラエル国家を承認したという歴史は、パレスチナの憎悪を生み、今の中東問題をさらに複雑にしている。領地を奪われたパレスチナが起こす紛争がテロなのか?民主主義を旗印にイラクを統治しようとしているアメリカに対する攻撃がテロなのか? テロの定義はますます双方の物差しによって計られている。歴史上で絶えずくすぶりつづけてきた宗教対立。端的な表現は誤解を生むかもしれないが、ユダヤ教(イスラエルやアメリカ)対イスラム教(アラブ諸国)という形を現しているように感じる。イスラエルのパレスチナへの行為は、アメリカがイラクに対する行為と同じように思えるからだ。宗教対立の物差しで、果たして善悪の判断が計れるだろうか。
海外へ頻繁に出張する知人に会った。昨年のことになるが、UAEのドバイへ行くという話しから、時期もちょうどラマダン(断食月)ということもあり、酒好きな彼のことだから逮捕されないようにと冷やかしたことを思い出して、旅先での話しを聞いた。ドバイは敬謙なイスラム教徒の国で、特にイスラム社会は、禁酒/ラマダンをはじめ規律を重んじるため、治安は極端に良かったそうだ。特に日本人とわかるととても親切に接してくれたことや、問題のアルコールも公衆の前でない場所なら構わなかったことなど、描いている印象とはかなり違ったものだった。過去の歴史においてアラブ社会で日本が培ったものはとても大きく、彼らから尊敬の念まで感じたという。しかし、今回の派兵に対しては、日本の立場を理解したうえでもやるせない気持ちが大きいそうだ。
一連の報道や偏った知識は、人にまともな物事を見れなくする。大きな見出しだけに踊ってしまい、そこで生活している人の声が届かないところで行われることが続く限り、対立は止むことがないと感じる。