葉っぱ ホリエモンの仮釈放に思う

2013年4月1日

 21ヶ月ぶりに仮釈放された堀江氏の人相は別人のように変わっていた。体重が30kg近く落ちたという。時代の寵児と呼ばれたその頃よりも、より若々しくなって帰ってきたように感じられる。無理もない、寄って集ってマスコミに袋叩きにされ、それでは飽きたらず検察が動いて証券取引法容疑だ。学校のイジメより質が悪い。では大手オリンパスの粉飾決算の時はどうだったか、お伺いを立てるような検察の動きとはえらい違いだった。しかも東京地検特捜部の指摘によると、「ライブドアが実質的に支配する投資事業組合が既にマネーライフ社を買収していたにもかかわらず、増資や架空売り上げを計上するなどし、ライブドアマーケティング社(現:メディアイノベーション)が、それら事実を偽って公表したとするもの。しかし偽計取引については公判の末、シロ(無罪)となり、風説の流布のみでの実刑判決となった。なお、風説の流布のみでの実刑判決は過去に例がない」(ウィキペディアより)。メディアと検察が架空の事件を作って、罪のない人間を社会から引きずり下ろす昨今の事件が頭をよぎる。権力を盾にされればだれだって抵抗できっこない。しかしさんざん悪者にされて、それでもなお注目されるというのは、よっぽど彼の手腕と才能を世間が認めているからだろう。
 堀江氏が東京大学在学中に会社を設立したのは、私がヘルシングあいを引き継いだ年と同じ1996年。その頃はまだインターネットが普及しはじめたばかりだった。ウィンドウズ95のパソコンをはじめて買って使い方がわからない当初はゲームばかりしていたのが懐かしい。そんな黎明期に、いち早くホームページ制作・管理運営を行う会社として注目を集め、小室哲哉やglobe等のオフィシャルサイト製作で一躍ウェブ業界ではオン・ザ・エッヂの名を轟かせた。それからも躍進が目覚ましい。経営不振だったプロ野球の近鉄買収に名乗りを上げてメディアを騒がせた。結局球団は手に入らなかったが、その後はニッポン放送の株を取得、筆頭株主となってその子会社であるフジテレビとの騒動が勃発した。そもそもこのニッポン放送は、当時の財界がマスコミ対策を意図して設立したラジオ局だという。そんな小さな会社の子会社にフジテレビがあるという歪な状態が明るみになって、問題の根深さが一層事態を混迷させた。そんな社会現象は、一人の青年が大立ち回りをして日本中を引っ掻き回していたのだ。先手先手で先を越され、王が詰まれそうになったら、若いくせに生意気だ!それにやり方が卑怯だと居直って円卓をひっくり返し、無効試合にしたのが逮捕なら、これほど情けない国はない。 
 きっとメディアの買収劇で彼は権力者の尻尾を踏んだのだろう。しかしあえて彼は踏んだのだと思う。こんな連中に支配されていては浮かばれないという思いがあったに違いない。そうでなければ政界にまで進出しなかったはずだ。だからこそインターネットとメディアとの融合を目指したに違いない。起業して10年足らずでこれだけのことを成し得た人物が少し前に日本にいたのである。
 今後のホリエモンに期待しつつ、一部彼の記者会見の内容をご紹介したい。
「最近だと皆さんも当事者だと思うんですけど、遠隔操作ウィルス事件、これは警察ですが、警察は本来、捜査機関が分離をして、警察が暴走しても検察が止めるもの。人間のやることなので絶対に暴走するし、絶対の正義なんてあり得ない。そこに対してもうちょっと謙虚になった方がいいのでは。私は事件で断罪されて自分なりに謙虚に反省してきたつもりですが、検察は検察で自分がやってきたことが正義なのか、足元をみて自分の正義が正しいのかを常に考えて、自分たちの持っている権力がいかに強いかを自覚してやっていってほしいです。」