名古屋三越栄店の出店を終えて
2017年10月1日
先月の20日から6日間開催された、「世界と日本のフェアトレード vol,2 いいものマーケット」。フェアトレード名古屋の代表を務める原田さとみさんからお声をかけていただき、その中のイベント、「いいものキッチン」というオールベジな料理を提供する特設レストランで、23日の祭日1日限りで
ププキッチンの料理をご提供させていただきました。
いつもとは勝手の違う場所でありながら、そつなく料理を提供してくれたスタッフに感謝する反面で、私自身のイベントに対する勉強不足について大いに反省したものとなりました。30分のトークステージでは、進行役をしてくださった原田さんのリードで、終わってみれば1時間も話しをしていたというオチまでついて、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。
西区の住宅街から、栄の繁華街へ仕事を移す体験が出来たことは大きな収穫でした。普段はひっそり佇む住宅街に店があり、駐車場もさほどなく、駅からもそれほど近くない場所ですから、当然、皆さんにお越しいただくための動機づけがないと、なかなか来てもらえません。反対に繁華街では、人は無数に歩いてますし、駐車場が空くのを待つ車の列を至る所で見かけました。名古屋百貨店の売上高で「名駅」が「栄」を上回ったという記事がありましたが、それでもこれだけの人が足を運んでいて、目的の場所へと人垣が途絶えることなく流れていました。
今回のイベントは、知る人ぞ知るというくらいの認知度しかなかったでしょう。同じ時期にお隣の松坂屋さんでは大北海道物産展が行われていました。10月2日までですから今も行われています。集客を考えれば、それに対抗したイベントも考えられたに違いありません。しかし、改装後の貴重な時期に、あえてこの催事をえらんだ三越栄店と、原田さとみさんの熱意に、今後の仕事の在り方を見せていただいた気がします。
中国やインドなどの大国をはじめ、東南アジアでも大きな景気に湧いています。かつての日本のように、作れば売れる時代なのでしょう。しかし低賃金で良質なものを獲得する連鎖は、いつまで続くのでしょうか。失われていく貴重な自然や資源を、次から次へと貪欲に資本が手を伸ばし続けます。そして終焉は、世界の一定の人口の富が平均化することで落ち着くのでしょう。無数の口が食べ尽くし、無数の手が買い漁れば、地球の裏側まであっという間に資源が枯渇するからです。魚が採れなくなるのもしかりです。最早好き勝手に出来る時代は終わっているのです。これからは残された貴重な資源を守り、育んでいくことが私達に課せられた最後の役割ではないでしょうか。
バブルを経験したわが国は、そのことを嫌となく知っているはずです。成熟しきったこの社会で生きていくために何が必要かを、このイベントに参加させていただいたおかげでわかった気がします。そして、一人一人の方々と、情報を共有していく大切さを改めて痛感した一日となりました。