デトックス(排毒)
2007年1月1日
昨年は、デトックス「排毒」がブームとなった。病気の原因が毒素をため込むことのように、社会もまた、ため込んでいた毒素を吐き出すかのように、内外さまざまな問題を噴出した年だった。今まで問題にされなかったところにも光が当てられ、その盲点となっていたものが明らかになったことで、それらはますます深い意味を持って問いかけてくるようである。ブームといえば、不思議と火をつけるものは海外からやってくるようだ。もともと国内の良いとされているものは日の目を見ず、海外から違う形に加工されて国内で火がつくものが多い。最近のマクロブームもそのいい例ではないだろうか。食養生としてのマクロビオティックより、おしゃれな菜食生活のイメージと変化して戻ってきた気がする。
そんなことをふと思っていると以前読んだ今村光一氏の本を思い出した(アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート -いまの食生活では早死にする)。今から30年も前に、アメリカで国費を投入されて行われた調査研究レポートの内容である。当時のアメリカでは、心臓病の死亡率が一位で、がんは二位。心臓病だけでアメリカの経済はパンクしかねないと言われるほど医療費が増大していた(30年前の医療費が約25兆円)。そんな財政的危機を何とか打開するため、医療改革の一環として、上院に「国民栄養問題アメリカ上院特別委員会」が設置され、全世界から選りすぐりの医学・栄養学者が集められ、「食事(栄養)と健康・慢性疾患の関係」について、世界的規模での調査・研究が7年間の歳月と数千万ドルの国費を投入して行なわれたのがそれである。5000ページに及ぶ膨大な報告を「上院レポート」又は委員長の名前をとって「マクガバンレポート」と呼んだ。要約すると、高カロリー・高脂肪の食品つまり肉・乳製品・卵といった動物性食品を減らし、できるだけ製しない穀物や野菜・果物を多く摂るようにと勧告している。肉の摂取量が増えると乳がん・子宮内膜がん・前立腺がん・結腸・直腸がん・膵がん・胃がんなどの発生率が高まる恐れがある」として、これまでの西洋的な食事では、病気と脂肪・タンパク摂取量との相関関係は非常に高いと述べているのだ。最も理想的な食事は、伝統的な日本人の食事であることが明記されている。伝統的な日本の食事というと結局は、精白しない殻類を主食とした季節の野菜や海草や小さな魚介類といった内容である。いまや、この内容は当然知るところとされているが、その西洋的食事にどっぷりと浸かってしまい、理想的な日本の食事を忘れ去ってしまったのが、我々日本人というのではあまりに皮肉ではないだろうか。しかし幸い、このマクロブームは、本来の伝統的日本の食事を復活できるカギを握っている。新しい年に、少しでもその復活に助力できるよう努めたいと考えている。
参考著書:アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート
いまの食生活では早死にする?自分の健康を守るための指針 (新書) 今村 光一 (翻訳)
そんなことをふと思っていると以前読んだ今村光一氏の本を思い出した(アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート -いまの食生活では早死にする)。今から30年も前に、アメリカで国費を投入されて行われた調査研究レポートの内容である。当時のアメリカでは、心臓病の死亡率が一位で、がんは二位。心臓病だけでアメリカの経済はパンクしかねないと言われるほど医療費が増大していた(30年前の医療費が約25兆円)。そんな財政的危機を何とか打開するため、医療改革の一環として、上院に「国民栄養問題アメリカ上院特別委員会」が設置され、全世界から選りすぐりの医学・栄養学者が集められ、「食事(栄養)と健康・慢性疾患の関係」について、世界的規模での調査・研究が7年間の歳月と数千万ドルの国費を投入して行なわれたのがそれである。5000ページに及ぶ膨大な報告を「上院レポート」又は委員長の名前をとって「マクガバンレポート」と呼んだ。要約すると、高カロリー・高脂肪の食品つまり肉・乳製品・卵といった動物性食品を減らし、できるだけ製しない穀物や野菜・果物を多く摂るようにと勧告している。肉の摂取量が増えると乳がん・子宮内膜がん・前立腺がん・結腸・直腸がん・膵がん・胃がんなどの発生率が高まる恐れがある」として、これまでの西洋的な食事では、病気と脂肪・タンパク摂取量との相関関係は非常に高いと述べているのだ。最も理想的な食事は、伝統的な日本人の食事であることが明記されている。伝統的な日本の食事というと結局は、精白しない殻類を主食とした季節の野菜や海草や小さな魚介類といった内容である。いまや、この内容は当然知るところとされているが、その西洋的食事にどっぷりと浸かってしまい、理想的な日本の食事を忘れ去ってしまったのが、我々日本人というのではあまりに皮肉ではないだろうか。しかし幸い、このマクロブームは、本来の伝統的日本の食事を復活できるカギを握っている。新しい年に、少しでもその復活に助力できるよう努めたいと考えている。
参考著書:アメリカ上院栄養問題特別委員会レポート
いまの食生活では早死にする?自分の健康を守るための指針 (新書) 今村 光一 (翻訳)