九鬼産業の工場見学で
2004年5月1日
当店取り扱いのゴマ製品で、すりゴマやいりゴマ、ごま油などで皆様ご存知の九鬼産業の工場見学に行ってまいりました。この会社は、昔ながらの製法を守り、安全で価値の高い製品作りで知られています。今まで実際に見に行ったことはありませんでしたが、今回、機会に恵まれ2ヶ所の工場を見学することがでしました。
四日市の本社工場では、すりゴマやいりゴマ、ゴマ油を、菰野町の竹成工場では練りゴマを生産しています。原料はおもに中国産。船積みの段階を含め、数回の残留農薬検査を15年も前から自社で行っているそうです。各工場ではまず、ゴマを石やチリと選別する工程を経て水洗いされ、乾燥を経て直火焙煎や二度焙煎が行われます。その間、各工程で再三再四にわたる厳しいチェックが行われます。
本社工場では、製品にされるもの、もう一方ではすりつぶして油を絞り出す昔ながらの圧搾法によりごま油が作られていきます。手間がかかる工程ですが、一切薬品や添加物は使われません。和紙や布などを使う「静置・ろ過」は3回も行われ、約3週間静置されるそうです。
次に伺った竹成工場では、全国で販売されている練りゴマの60%近くを生産されていると聞いて驚いたのですが、それよりも見て圧巻だったのがゴマの皮をむく工程です。なんとゴマ同士をすり合わせて皮をむくのです。説明を聞いても半信半疑だったのですが、その工程でむかれた繊維部分が目の前のドラム缶を大きくしたような容器の中にどんどんたまっていきます。それらは捨てられてしまうのかと思えば、有機肥料としてお茶畑で再利されているとの事です。この皮をむく工程は、ほとんどの他社メーカーでは薬品で溶かす処理がなされていると聞きます。そのためゴマの風味が失われ、安全面でも疑問が生じますが、製品になってしまえばわからないことです。
ゴマは昔から日本食に良く合って、風味をよくするための食品として使われてきました。ごまを加えることによって味をよくするが転じて「ごまかす」になったという説があるそうですが、今回の見学で、手間がかかる工程を「ごまかす」ことなく、あえて伝統を継承し、より安全で、より美味しい製品作りを目指している姿勢を垣間見ることができました。こういう機会を与えられ、ますます皆様により良い情報や商品をご提供できるように勉強してまいりたいと思いを新たにしました。
今後、当店で工場見学も企画する予定です。参加ご希望の方、ご興味のある方は、まずご一報を当店までお知らせください。