葉っぱ 見えない敵

2001年10月1日

アメリカ合衆国の世界貿易センターとペンタゴンを襲ったテロから既に3週間が過ぎようとしています。まるで映画のワンシーンのような映像に、到底現実に起こったこととは思えませんでした。犯行に及んだ証拠もないまま、テロ撲滅を聖戦の御旗とした報復に、各国が手綱を引き合い、出口の見えない戦争へと引きずられて行くようです。
奇しくもその前日、日本国内で初めて狂牛病を疑う牛が千葉県白井市で確認されました。イギリスやEU(ヨーロッパ共同体)で起こった騒動を対岸の火事として全く対策はとられなかったのでしょうか。驚くことに2000年末までは欧州から動物性飼料は輸入されていたのです。という事は日本でも狂牛病が発生する可能性はあるのです。「残念なことに日本の農林水産省は、日本において狂牛病が発生する可能性があるとしたEUの報告書に待ったをかけました。このEUの報告書は、日本を5段階のリスクですでに狂牛病が確認されているフランスと同じ中間の3と評価しています.つまり,EUの報告書は,日本で狂牛病が発生してもおかしくないとしているのです。」(農林水産省生産局: 第3回牛海綿状脳症(BSE)に関する技術検討会の概要:農林水産省報道発表資料(2001年3月14日))
(Mad Cow Study Unsettles Japan Stephanie Strom New York Times Service Thursday,June 21, 2001)
HIVでは多くの方が犠牲となり、行政のあり方が問われました。今回もしかりです。見えない敵は、形を変えどこにでも潜んでいます。そんな敵に極力遭遇しないように、気をつけることはできます。血となり肉となる食物は私たちに選択権があるからです。