葉っぱ 誰のために

2001年5月1日

 混迷を極めた政治も、小泉さんが念願の自民党総裁に選ばれて一息ついた感があります。それは今回の総裁選挙が、前総理が密室で選ばれたことや、さまざまな不祥事へのストレス解消も手伝って、結果として民意がおおいに反映された形に落ち着いたからでしょう。不思議なものでそうなると、今までの政治に対する苛立ちも解消されたような気分になるから気をつけなければならないところです。ところで、今の日本経済は世界初のデフレ現象を体験中だそうです。土地の地価は下落し、物価も下落し続けています。いわれてみると確かに何でも安く買えるようになった気がします。安く買えること自体はいいことのように思えるが、売れないから安くすること自体、それだけ消費が落ち込んでいる証拠ともとれます。必要なもの意外は買わないという一見あたりまえのように見えるこのことが経済の根底をゆるがしているとでもいうのでしょうか?
 物価の下落の要因には「消費者のため」の御旗を掲げた経済の規制緩和があげられます。アメリカからの圧力により肉や米などの自由化が始まったことや、大店舗の進出による価格競争などで、一見私たち消費者にとって便利で快適な環境が作られたようでしたが、実はその裏で、昔ながらの商店街は姿を消し去り、田畑はますます荒れ果て、競争激化によって労働力は海外に求められ、海外の労働力によって作られた輸入製品によって今度は国内の産業はますます衰退し、失業者がさらに増え続ける傾向になろうとしています。今さらセーフガードで輸入制限したとして何が解決されるでしょうか。現在日本は自給率4割足らず、約7割の食物を輸入して、2割の食物を廃棄しているのです。異常としかいいようがありません。
  「吾・唯・足・知」と、先人の声が聞こえてきそうです。