葉っぱ 少食の魅力

2014年1月1日

 毎年、年の初めに一回前を振り返る癖がつきはじめた。その時一体自分はどんなことを感じていたのか。お便りもかれこれ書き続けて17年?この数字に我ながら驚いてしまう。12年前はおすすめの本として群馬健康会館の西本先生と宇津野先生が書かれた「少食の魅力」を紹介していた。長年保健婦として公衆衛生に携わったお二人だからこそ書くことができた非常に貴重な本である。ご家庭の薬箱のように、一冊は手元において置かれることを再度オススメしたい。
 その冒頭で、マハトマ・ガンジーの「国民への提言」が引用されている。繰り返しとなるが書き留めておきたい。
 「思えば不思議でならないのは、人々は身近なことより遠くのことをはるかによく知っていることです。自分の村のことはほとんど何も知っていないのに、イギリスの山や川の名を空んじています。人々は大変骨を折って空の星の名を覚えているのに、自分の家の中の物事を知ることを値打ちのあることだとはほとんど考えていません。それと同じように人々は、自分の体の構造や、骨や筋肉ができてくる仕組みや、血液がどのように循環し、汚れるか、よくない考えや情欲にいかに影響されるかなどについて、無知であることを恥じていません。体ほどわれわれに密接に結びついているものはないのに、体についてほど無知が深刻で、無関心が徹底したものは他にありません。この頼りなさを克服することはすべての人々の義務です」
 これほど分かりやすく真理をついた言葉があるだろうか。混迷する社会を生み出しているのも、自分自身のことすら分かっていない一人一人に責任がある。自分の責任で病気になっておきながら、闇雲に人に頼って治らなければ人のせい。なぜそんな病気になってしまったのかを振り返ることすらしない。そんなツケが肥大化して、税収が47兆円の中で、国民医療費はもはや39兆円に達しようとしてる。この数字を見ただけでも財政はとっくに破綻してしまっている。そんな状態でもまだ経済優先で、豊かな土地を破壊して金に替える愚行が続けられている。ほとんどの食品を海外に頼って自給できない国のやることではない。原発事故の想定すらしていなかった他人ごとの思考がここでも伺えはしないか。
 腹八分に医者いらずとは貝原益軒の養生訓の言葉だそうだ。江戸時代から今にも伝えられている言葉だからこそ一層重みがある。一人ひとりが病院にご厄介にならないように少食で食生活に気をつけて良い一年を送っていただくことを祈念したい。そうすれば医療費は削減され、周り回って我々の生活も豊かになるはずである。
 ちなみに午年は、「「午」は「忤」(ご:「つきあたる」「さからう」の意味)で、草木の成長が極限を
過ぎ、衰えの兆しを見せ始めた状態を表しているとされる。後に、覚え易くするために動物の馬が割り当てられたそうだ。人生上りがあれば下りもある。しかしそんな下り坂も、日々のささやかな努力で緩やかな下りにしたり、ひょっとしたら上向きにすることだってできる。
それも今日のまず一歩から。

皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。