葉っぱ 還暦を迎えて

2026年1月1日

 私事で恐縮ですが、先月でとうとう還暦を迎えました。思えばここ西区に移転したのが18年前。大がかりな内装工事をして新店舗をスタートしたのがまだ40代前半でしたから、体も動くし、これから頑張るぞ!と思っていたのがついこの間のように感じます。いやはや月日の速さを実感じます。
 年末の忘年会にサプライズで、スタッフの皆さんと、近しい方々にお祝いをしていただけて、しかも真っ赤なニット帽に真っ赤なマフラー、そして真っ赤な、しかも名前入りのウェアーまでプレゼントいただき、大変楽しい時を過ごせました。
 ただ、実感として50歳の時の方が、節目を感じていた気がします。そんな思いに突き動かされて、自費出版で本を作ってしまいました。「20年後のわたしに」という題名で、毎月のお便りをピックアップしてまとめただけなのですが、これが大変な作業で、えらいことやってしまったな~と後悔しながらも、毎日読み返しては出版に漕ぎつけたので、結果いい経験になった気がします。
 令和に年号が代わるころ、母親が突然の体調不良で、診断の結果、末期の膵臓がんでした。自分しか救えないと思ってビワ温灸や生姜シップなどの手当をしましたが、その甲斐なく亡くなったことが、自分にとって人生最大の後悔でした。何でもっと日頃の体調の変化を見てやれなかったのかという声が、心の中で叫びとなって湧き出てきました。その年まで、肉親を失うという経験をしなかったのが幸いだったにしても、それがどこか他人事の自分がいたのでしょう。何カ月も自分を責めていましたが、不思議なもので、お客様や、親しい人の何気ない一言で、徐々に前向きになれました。そう思うと、年をとるということは、それだけ人との付き合いや人生の深みも味わえることになりますから、ますます年をとることが楽しくなりそうです。年を重ねることで分かることって意外に多いと感じます。
 陰陽五行に由来して、十干と十二支を組み合わせて60年を一周期とする干支が一巡して誕生年の干支に帰るので、「暦」が「還る」というところから赤ちゃんに戻る・第二の人生に生まれ変わるという意味で「還暦」というそうです。60年前といえば、いざなぎ景気が始まり「3C」(自動車・カラーテレビ・クーラー)が普及し始めた高度経済成長期真っ只中で、好景気に沸いた頃でした。60年経った今はどうでしょう。自動車は家庭に1台以上、クーラーやテレビも各部屋に1台が当たり前になり、廃棄される家電の上位になっています。そして床の間や庭がない建売住宅がどんどん増えています。家庭は、家族が生活する場所を指しますが、家庭から庭をなくすように、家族が部屋で仕切られることで孤立する傾向も増えてしまうのではないでしょうか。物質的な豊かさゆえ、何でも合理的に済ますことで、ささやかなゆとりさえなくなると、車のハンドルがいい例で、遊びがないと、少しハンドルを切っただけでもタイヤが動いてすぐその方向に曲がって危険です。ようやく60年で一巡してきたわけですから、ゆとりをもって今年に望みたいと思います。
 丙午(ひのえうま)は、十干(じっかん)の「丙」と十二支(じゅうにし)の「午」が組み合わさった干支の一つで、これまた60年に一度の巡ってきた年にです。火の要素を二重に持つことから、火事に注意することや、情熱や強さを象徴するとされます。午年は、また健康や豊作を象徴する動物の象徴でもあり、新しい挑戦に向いているそうです。火のような情熱を持って、駆けて抜けていく一年でありたいですね。
本年もよろしくお願い申し上げます。。