母を看取る 2
2019年6月1日
先月は、たくさんの方からお悔やみのお言葉や、お心遣いをいただきまして、ありがとうございました。四十九日を無事終えることができて、ようやく落ち着いてまいりました。その間、様々なことがありましたが、身近な人達に支えられたのはもちろんのこと、知っておいて良かったというお話しや書籍などに触れていたことも、救いになった気がしています。
死をテーマに、20年ほど前の講演会でお話しされたカール・ベッカーさんという方がいます。縁あって一昨年、再びお話しを伺える機会がありました。死に対する心構えという、普段触れられそうで触れられない事柄を、正面から見据えた内容が心に響いたのですが、実際に大切な人を失って、いかに人は人に支えられて生きているのだということを痛感しました。
父は八十三歳で妻を亡くしたのですが、母が亡くなってからしばらくは、心ここにあらずでしたので、一人にしておけず、今でも店に一緒に来て仕事を手伝ってもらっています。2ヶ月ほど経った今では、顔つきも代わって来て、ようやく母の死を消化し始めた気がしています。
これ以降は、以前にもご紹介しましたが、カール・ベッカーさんのお話しの内容をご紹介します。
「西洋東洋を問わず、大事な人に死なれてしまうと、1、2年も経たないうちに、事故や、病気、精神異常や最悪の場合は鬱や自殺などの確率が高くなります。そこで、ある病院で本人患者自身が長くないとわかった時点で、毎月のようにパーティーを行います。そのパーティーに、どうせ死ぬんだから何を飲もうが食べようが自由で、持ち寄せの物を飲んだり食べたりして、一緒に泣いたり笑ったり黙り込んだり握手したりして、そして本人がいなくなってからも、同じ仲間や家族を呼び寄せて、毎月数回ほどその儀式を続けます。そうした場合にそれら発症例が激減したのです。しかしこの知恵も日本人は昔から持ち合わせてます。それが初七日や四十九日、初盆、一周忌など定期的に親戚や友人などを集めて行うことです。」
アメリカ人でありながら、日本の文化を深く、そして優しく紐解き、この風土で生きていく生き方の智恵を教えられた気がします。
皆様から、裸療法や、こんにゃく湿布とビワ温灸の方法についてもお問い合わせいただきました。裸療法は、皮膚を空気にさらし、主として酸化作用ならびに尿酸の発散を促し、血液、リンパ液の浄化します。亡くなる日の朝も、裸療法を手伝いましたが、気持ちいいととても喜んでくれました。皮膚の弱い方、寝付きの悪い方には卓効があるのではないでしょうか。一日二回、日の出前と、日没後に行ってください。慢性病の方は、回数を増やしてもいいと思います。
こんにゃく湿布とビワ温灸では、私は母に、ビワ葉を当てたこんにゃく湿布をしました。ビワの安息香酸には強力な鎮痛作用があり、モルヒネよりも強い効果があるとまで報告されています。こんにゃく湿布はそれをさらに高めるようです。以前、末期がんの方が来店されて、その方法で温灸をすると、実際にガンの痛みが消えますよと教えてくださったことがあります。天然の成分でモルヒネと同じ効果があるビワ温灸を、ぜひ心の片隅に留めておいてください。