
今年のお米の出来栄えは?
2025年11月2日
秋の心地よい気候を感じられたのも束の間、朝の冷え込みが冬の気配を感じさせるこのごろです。ゆっくり秋の夜長を楽しむということも、もはや死語になるくらい季節の移ろいが極端になっています。その極端さが農作物にも、そして私達にも知らないうちに影響を与えていると思います。季節の移り変わりというのは自然を肌で感じることですから、それを覆ってしまうと、窮屈な考え方に偏ってしまいかねないのではないでしょうか。確かに昔に比べると、随分と窮屈な世の中になっていると感じます。
さて、先月の5日に無事稲刈りを終えることができました。幸い、曇り空で絶好の作業日和でしたので、翌日に疲れが残ることもありませんでした。それにしてもお米作りほど人との関わりを結びつけるものはないと感じます。総勢で20名ほどでの稲刈り。稲を刈る係、それを縛る係に、それを稲架にかける係、何年も家族で参加してる方は、小さかった子供さんが即戦力で、指示されることなく動いていて、誰かを手助けするという、この時代にいちばん大切なことが自然に身についているのです。これが日本人が本来持っている遺伝子に刻まれたものではないでしょうか。
刈った稲は稲架掛けをして天日で干しますから、あとはお天気任せなのですが、雨の日も多かったため、乾き具合はどうかと、ハラハラしながら予報を見ていました。脱穀の前々日に、スカッと晴れてくれたおかげもあってか、当日名古屋は朝から雨でしたが、南知多の方では、それほど降らなかったことも幸いして湿気はありましたが無事脱穀も終えました。いよいよその2日後は籾摺りです。学校でいうなら通知表をもらうときの緊張感のようなもので、今年一年成績が発表されるわけです。
結果は、最低の出来だった昨年の2倍の収穫量でした。ホッとする気持ちと、本当はその倍は採れる意気込みで昨年末から頑張っていたので、がっかりな気分も少しは残りました。
籾摺りされた玄米は、実がしっかりしていて重量以上の重みを感じます。お米作り12年目にして、ようやく何をすれば良いのかを、うっすらとながら描くことができた気がします。
日本のお米は、世界でもギネス世界記録に認定された「世界最高米」と、世界最大規模の米の食味コンクールで最高賞を受賞した日本の銘柄があります。毎年開催される米・食味分析鑑定コンクールで金賞を受賞した玄米の中から、独自の基準で厳選されたものが原料となり、加工技術、収穫後、専用の熟成庫で保存され、独自のブレンド技術、精米技術(金芽米)、熟成技術で食味と健康効果を高めているため1キロあたり11,304円(消費税・送料別)で販売された実績もあるのです。しかも以前もコラムにも書きましたがユネスコ無形文化遺産に登録された和食の世界的広がりとともに高品質なプレミアム米、日本産のお米は、コスト重視の外国産ジャポニカ米とは異なり、高品質なプレミアム米として高級寿司店などで高く評価されています。
世界最高品質は、トヨタだけではないのです。一番身近にあるお米が、世界で評価され、インバウンドでも日本食を求めて来日してくる海外の方が後をたたないのです。その貴重なお米を減反させておいて国力を削ぎ、しかも米不足になっても責任すらとらない農水省やこれまでの政権与党は国賊であって、政治家をやめるべきだと思います。もう一度、日本の原点に立ち返ってみることを、一人ひとりが感じるようになるとき、日本の真の再生が始まるときだと思います。
