
いろは・ひふみ呼吸書法
2025年5月2日
一昨年の7月に、ハワイ島にある原生林カロコの森を守る活動をされていた菅原真樹さんが、豊川のカフェひまわりにお話しにいらっしゃるという情報を聞いて、再会に思いを馳せて電車に飛び乗りました。かれこれ7年ほど前、私が設楽ダム建設の反対運動のため、設楽町へ何度も足を運んでいるときにお会いしたのが、菅原真樹さんとの最初の出会いでした。その後、当店にもお越しくださって、数少ない原生林が、どんどん地球上から失われていることや、プロのダイバーで写真家であることから、素潜りで水深100mというとてつもない世界をカメラに収めた時のお話などをしてくださいました。ちょうど田植えの時期と重なっていたことから、ご神事ですからと、一緒に田植えもしてくださるなど、大
変気さくな方でしたので、再会が楽しみでした。
カロコの森については、自分のできることは尽くして、現在赤穂市播磨に移住しで、環境保全NPO「ブライト・ホヌア・ジャパン」の理事長として子どもたちへの環境教育にも取り組んでいるということです。
そんな場所で、もう一人再会したのが、同じく設楽ダム建設について疑問を持って活動されている方でした。お互いの近況などを話しながら、ふと興味を持ったのがいろは・ひふみ呼吸書法の指導員をしているとのこと。それを主宰しているのが、合気道の創始者、植芝盛平氏に師事し、合気道7段で、その書法は合気道に通じているということでしたので、ぜひ、店で教えていただきたいということになり、それから2年近くが経ちました。月に1度、第3木曜日に2クラス行われる書法会です。ほとんど同じメンバーで続けてきてましたが、先月から新たに数名参加者が増えて、今月はクラスは満席だそうです。
先月の中旬に、いろは・ひふみ呼吸書法を主宰されている、山本光輝先生が豊橋で講演をされるということで、参加してきました。文化サロン汽水域という個人が作られた能舞台で、四方ヒノキつくりの美しい会場でした。 山本光輝先生は御年88歳。そんな年齢とは思えない溌溂とした佇まいと、聴き心地よいお声で、端的に要点を話されました。書道というと、どうしても肩に力が入るイメージがありますが、いろは・ひふみ呼吸書法は、肩の力を抜いて下手でもいいから、いろはとひふみ祝詞を唱えながら書くことに意味があるということが腹に落ちた気がしました。 弘法大師が作られたと伝わる「いろは歌」は、お釈迦様の入滅前後を描いた涅槃経、雪山偈(四行詩)の「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」の意を汲んで作られたとも言われています。そしてひふみ祝詞は、自然界の調和と人間の生きる道を象徴し、古くから人々を守り、豊穣をもたらす力があるとされています。光輝先生が長年の武道と書道の経験から創案された独特な長呼気・腹式呼吸書法で、「いろは・ひふみ」の四十八神(よそやしん)と呼ばれる、一語一語が神の名前・姿(波動の
形)、その言霊を発声しながら書くことで、魂と土地の浄化・更に覚醒を促し、誰でも簡単に楽しく書けるようになるということです。
思い起こせば不思議なご縁で繋がった「いろは・ひふみ呼吸書法会」。自然環境を守りたいという一心な思いが、日本に伝わる大切な言葉に再会させてくれたような気がします。 西式健康法を世に発表した、西勝造氏は、合気道の植芝盛平氏とは懇意だったそうで、合気道の普及にも努めたということです。そのため、一度は合気道に触れてみたいと思っていましたが、このような形で携われていることにも感無量な思いがします。
これまでの教育から1,2,3,4とすぐ数字が口から出てしまいます。でもどうせなら、ますは意味のある「ひふみよいむなやこと・・」と、これから使ってみてはどうでしょうか。毎日少しづつでも、その小さな努力がのちに大きなうねりとなって何かを変える力になると思います。