いつの間にか
2022年2月2日
人というのは、痛みや違和感には敏感でも、良くなることについては、思いのほか関心がないものです。近くも遠くも見えにくかったのが、ある日、スッキリ見えるようになるような劇的なことがない限り、体の変化には疎いものですね。
そういう私も、最近まで寝相が悪い方だと思っていたのですが、いつの間にか、まっすぐ寝られるようになっていました。
西式健康法の六大法則の中にある①平床寝台(木の板で寝る )②硬枕利用(桐の木枕)この2つをかれこれ30年以上続けています。それぞれの効能をあげると、
○なぜ平床で寝るのか・・・柔らかいベットで寝ると背骨が曲がったまま寝ていることになり、背骨が一直線にはなりません。しかし平床で寝ると背骨が一直線になり歪みが矯正されます。腰痛な人ほど腰と床の間に隙間があります。
○次になぜ木枕を使うのか・・寝ている間に首をストレッチしてくれて更に首のアーチに沿った形になっているため指圧効果と首のストレッチ効果が働きます。長時間パソコンやデスクワークをしているといつの間にか猫背になっていることがあり首が突き出た状態になり、肩こりや本来であれば緩やかなカーブを描いている首の骨がストレートネックになる原因になります。
そんな効能を期待して使っていたのですが、硬い木の枕のため、首が痛くなるし、寝ている間にどこかに行ってしまってることが茶飯事でした。平床だけはすぐ馴染んで、やわらかいベットなどでは寝付けなくなりました。東京へ一週間の出張へ行ったときも、こちらから平床と木枕を宿泊先へ送ったこともあったくらいです。
昨年の暮れ頃から、起きたときに布団の乱れがなく、木枕に首が乗ったまま起きたことがきっかけで変化に気が付きました。あれ?あれ?と、それから毎日起きるたびに、乱れのない布団とシーツを確認します。寝返り打たないと寝れないと思っていましたから、一時のことかと思って確認しながらすでに二ヶ月以上。寝床に入るときからまっすぐに寝ていることが気持ちが良くなっています。寝返りして首を横にするほうがかえって心地悪くなりました。間違いなく姿勢が以前より良くなってきているようです。
最近、特にお客様から、姿勢が良いねと言われることが多くなりましたが、数年前まで、猫背を気にしていたことが嘘みたいです。猫背のように悪い姿勢でデスクワークを長時間していると、胃の裏から肩甲骨のあたりが突っかえる痛みがあったのですが、それも全く解消されました。
そこで良くなった理由を辿ると思い当たるのが、5年前から続けているバレエです。毎週一回のレッスンなのですが、普段使っていない足の骨や筋肉を嫌というほど動かします。そのためいつも足はつりそうになりますし、終わったあとは足がパンパンに張ります。それが昨年の暮から、足がつらなくなりました。そうしたら、余計可動域が増して、無理だと思っていた骨の動きや姿勢が、レッスンの度に良くなっている気がします。
労る(いわたる)という言葉は、大切に扱うという意味が込められていますが、漢字は労と書きます。大切にするということは、腫れ物にさわるような扱いではなく、隠していたものを白日のもとに晒して動かすことなのでしょうね。