葉っぱ 今年も無事田植えが終わりました

2020年6月3日

 桃栗三年、柿八年と言うことわざがあります。何事も成就するまでにそれ相応の年月がかかるという意味で使われますが、ちなみにその後の続きが面白いのでご紹介します。地方によってもさまざまな続きがあるそうですが、「梅は酸い酸い十三年」「梨の馬鹿目が十八年」「柚子は大馬鹿十八年」「林檎にこにこ二十五年」 などなど。
 植えてから実がなるまで十八年もかかっては、生産者もたまったものではありません。だから「大馬鹿」なのでしょう。この言い回しを積極的に色紙に書いたのが、あの『二十四の瞳』の作者坪井栄だったと、同志社女子大のホームページには、その続きの中で書かれていました。
 八年目の今年は、何かが自分の中で湧いてきたようで、一枚目の田んぼは、ユーチューブで見た畦の作り方を実践して、それが意外に様になってました。そして一番難しい山からの豊富な水が一面に行き渡るようにする代掻きの作業。入口と出口の流れを調整したことと、田起こしで山になった場所の土を移動させることを丁寧にしたところ、高低差がなく、今までで一番上手にできたように思います。

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 過去の七年間は、山からの水の流れを読めず、水深にムラができて、田面が凹凸となり、生育ムラや雑草の害に悩まされてきました。すべての作業が人力。膝下まで深く沈む田んぼは耕作機械が使えません。鍬一本での田起こしで、今まで腰や膝を痛めたりと、自分の非力さを痛感したことが何度もありましたが、今年は、そんなトンネルから抜け出す一歩目の年になる気がしています。
 今年の田植え参加者は、2家族含めて8名(うち子供2名)と、過去一番の人数でした。
 家族4名で参加されたKさん一家は、一列に並んで苗を植えている時の呼吸がぴったりで、初体験とは思えませんでした。大勢で行うお米作りには、古くからそれを祭りとして楽しんでいたことが伝わっています。
 伊勢神宮内の伊雑宮御田植祭では、早乙女が田んぼに神様を迎え男らがドロを塗り合います。そのまま泥遊びとなり、土が混ぜ合わされ稲が植えやすくなるというのです。実際に田起こしをしながら何度も泥と戯れたい心境になります。一人でやってたら、いよいよアイツ頭に来たか?と思われますが、大勢でやれば楽しいでしょうし、田んぼも熟されて作業効率も上がるし、その後の稲の成長にもとても良いのでしょう。
 伊勢市楠部町にある神宮神田。ここで毎年、伊勢神宮の神様に捧げるお米が作られています。起源は2000年前。伊勢に神宮を定めた倭姫命(やまとひめのみこと)が、この地で神の米を作るよう命じたと言います。そして、その御神田からいただいたイセヒカリを種籾から育て、今年も無事、田植えを終えました。さて、今年も順調に稲が育ってくれれば、10月には実りの季節を迎えることになります。聞こえてくる音といえば、風と鳥の声。そんな日常とはかけ離れた空間で、黄金色に実った稲穂を刈り取る作業にご参加希望の方は、お知らせください。

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