葉っぱ 病は気から

2018年5月1日

 「病は気から」とはよく聞く言葉です。その語源を辿っていくと、中国最古の医書「黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)」【紀元前四百五十年~二百二十一年頃】に、百病は気に生ず(全ての病は気から生ずる)と記されており「病気」の語源となったそうです。それが飛鳥から平安時代にかけて日本に伝わったということで、当時は元気という言葉も、病む気が減ると書いて減気と言ったそうです。
目に見えない何かがからだを突き動かしている。それをはるか昔から「気」という言葉で表現されていたんですね。
 ちなみに、この「気」という言葉の意味を、様々な角度からその著書で紹介しているのが整体という
言葉を作った野口晴哉氏です。ぜひご一読いただきたい著書ばかりですが、一文だけそのあたりをご紹介します。「スキーに重い荷物を持っていくのでも、それが自発的なら疲れないのに、人の荷物を持たされるとすぐに草臥れる」ごもっともです!。
 つい先月末のこと、スタッフHさんとの会話で、まさにそんな「気」が作っていた病の話しを伺ったのでご紹介します。
 若いころから軽い花粉症があったため、ある日、花粉アレルギー検査をしたところ、ほとんどの項目でアレルギー反応が出たそうです。そうすると、気になって抗生物質を飲み始め、それがいつの間にか毎日の日課になっていたそうです。
 そんなある日のこと、足のかかとの骨を折るケガをしてしまい、リハビリの生活。約一ヶ月が経ち、ようやく普通に歩けるようになった頃、今度は階段を踏み外して違う足を骨折していまいます。悶々とする中を、また一からのリハビリ生活。気持ちがどん底から浮上してくるのにしばらくかかったのは言うまでもないでしょう。ところがある日、毎日の日課を忘れていることに気がついたそうです。あれほど毎日飲んでいた抗生物質。飲まなくても症状は全く出なかった。その時、自分でハッと気がついたそうです。自分の思い込みが病を作っていたのではないかと。足の怪我で、花粉症のことまで気が回らなくなった。結果として、花粉症は出なかった。足の怪我は、そんなカラダの声を聞く大切さを教えてくれたんですと。
 このような話しは、誰にでもあるような気がします。自分の思い込み過ぎや、気にし過ぎることで、
病の根を作ることもあるのです。病は気から、自分自身のカラダです。過信もいけませんが、もっと信じてカラダの声を聞く余裕を持ちたいものですね。