田植えを終えて
2017年6月1日
米作りをはじめて5年目の今年は、何時になく賑やかな田植えとなりました。田んぼを起こすことから始めたご家族と、そのお友達も田植え初参加、そしてハワイからお越しの菅原真樹さんは、午後からのお話し会前にも関わらず、田植えは神事ですからと言って前日入りしてご参加下さいました。そして、もともと耕作放棄地だったこの場所を、里山を蘇らしたいとも思いから開墾された名城大学の小池先生のゼミの生徒もかけつけました。私たちの主食であるお米、そのお米が長い年月を経て私たちの肉体と精神を形つくってきました。そしてそのお米を取り巻く環境に、大きな自然の恩恵を感じます。その目に見えない力が、私たちを引きつけているような気がします。
昨年は、田起しの最中に腰を痛め、2枚の田んぼをやっとの思いで仕上げたのですが、今年はまだ済んでない方々の田んぼまで手伝うほど体調はよい状態をキープしています。腰を痛めた後、夏には膝を痛め、肉体的には反省の一年でした。そこで、一体自分に何が不足しているのかをずっと考えながら、時にはメンズヨガに通い、ジョギングを無理のないウォーキングに変えたりするなど試行錯誤を繰り返していた時、お客様から教えていただいたのがバレエ。まさかこの年令でしかも男でバレエ?と思っては見たものの、先入観で判断せず、せめて体験だけでもと行ってみました。そうしたらこれが見てる世界とは真逆な世界。全身の骨格、特に骨盤から足の爪先を動かすのに、自分の体でも言う事聞かない。息は上がってくるし筋肉の疲労感は全身を覆ってきます。とてもじゃないけど笑って演技なんてできることがアンビリーバブル。その上先生からは、「あなたは扁平足ね。このままだと前に重心が偏るから怪我をしますよ。」と言われて、そのための靴を履いて更生してるつもりなんですが、と返すと、「頼っちゃダメ!そこに意識して足全体に重心がかかるように心がけなさい。」健康のために依存はいけないとはいつも自分が言ってること。そんな自分が頼ってたことに気付かされた一日となりました。それからはや数ヶ月経ち、扁平足の感覚は感じなくなるくらい小指まで力が入りだしました。何よりスタッフからは姿勢が良くなったと評価され、これほど嬉しいことはないくらい。そう言われてみると、田起こししている時も、姿勢を気にしている。気にすることを意識できるようになったというのが大きな収穫のようです。
今回のバレエの貴重な体験で、20代の頃に糸川英夫さんの講演を聞きに三重県まで行ったことを思い出しました。なぜなら、糸川英夫さんも60歳でバレエを初めて70歳の時に舞台に上がったのです。その時の印象に残った言葉は、今でも忘れません。それは次のような内容でした。
「誰もはじめっから天才なんていません。新聞紙一枚一枚の毎日の努力の積み重ねです。その一枚一枚の努力が積み重なって、いつの日か、頭よりも上に足をあげられるようになるんです。」