小さな一人でも
2017年2月1日
ある女性がフェイスブック上にアップしたイベント「ハワイの森を守った菅原真樹さんと。設楽ダム、私達に参加できる立木トラストって」が気になって、先月の中頃、豊川まで行ってきました。
そこで話されたのがハワイ島に住むプロの写真家で潜水プロガイドの菅原真樹さんという男性でした。ハワイ王族の代々大切にしてきたKalokoの森が別荘地として注目され、森林が伐採されて行く中で、Kaloko森トラストプロジェクトを立ち上げ、銀行からの融資を受けるために何軒も頼みにまわったそうです。そしてついにその森の買収の3日前に融資をする銀行が現れ、森の土地の売買、破壊からまもることができたそうです。(その森をハワイの土地に戻すことを目標とした、森や海の力に触れて静養、リハビリができる宿泊施設「Kaloko House」を現在主宰している。)
もう4年ほど前になりますが、設楽ダム公開講座が愛知県の主催で開かれ、全然9回のうち、7回参加しました。そこで分かったことが、設楽ダムとは水道用水と農業用水の治水目的で40年ほど前に建設計画が持ち上がったものの、2002年に豊川総合用水事業が完成して、それらの目的が必要なくなってしまい、用途を「流水の正常な機能の維持」目的?に変更したのです。簡単に言えば、川が渇れないためにダムに水を貯めておくということです。9800万m3という膨大な量の水を山の上に蓄え、しかもそのために3000億円が使われるのです。必要のない事業に、それだけのお金が使われるだけではありません。上流の自然が破壊されるのです。しかも設楽ダムができれば、その下流域には六条潟という世界でも有数な数少ない干潟があります。国産のあさりの大半を占める稚貝が育つ場所が、ダムで堰き止められて土砂の供給が減るために大きな影響が出るでしょう。二枚貝は、有害なバクテリアや有毒な化学物質などの汚染物を濾過してくれる自然界の浄水器のような存在です。そんな貴重な種を絶滅させれば、私たちの生活環境はますます厳しくなることでしょう。2年前に、ダムの現状を下流域に住んでいる私たちも考える機会を作れないかと思い、不必要なダムを取り壊しているアメリカで作成された映画「ダムネーション」を主催しました。実際に設楽町に住んでいる方にもお越しいただき、生の声を聞くことができました。しかしそれを次に続けていくことができませんでした。
今回、このイベントに参加させていただき、一人は小さな力ですが、出来ることがあることに改めて気付かせてもらいました。たった一人からでも始められること。それはダムに反対している周辺の山主さんの立木トラストに参加することです。今までに3500ほどの賛同者が集まっているそうです。これを今年5000という数字にのせたい。この数字自体が大きな声になると弁護士さんにもうかがいました。今回のお便りに、立木トラストへの参加呼びかけの用紙4枚同封させていただきました。賛同いただける方は、是非署名いただき、お申し込み下さい。
当店では、この申込書をまとめて事務局へ送付する作業と、代金の振込みを代行いたします。ご希望の方は当店まで、書類とトラストにかかる費用、およびカンパ等をお持ち下さい。
「変革は、弱いところ、小さいところ、遠いところから」という清水義晴氏の書籍があります。社会の小さな一人という一つの点、どこにでもありそうな点でも、そんな点から変革は始まったと言います。まだまだ小さな点が点在しているだけかもしれませんが、それが線になり、面になることを祈念しています。