続けること 3
2016年3月1日
前回の続きになるが、その前に、「生野菜汁療法」の文中から蓚酸について詳しく引用させていただきたい。というのは、蓚酸について誤解をしている人が大勢いる。私もかつてはその一人だった。西勝造氏の書籍の中にもその言葉は大変多く出てくる。。今回私が体験した反応は、この蓚酸がもたらしたものだと思っている。そして私だけでなく、両親に与えた影響も少なくない。それらを含めた途中経過は、引用が少し長くなるため次回にお許し願い、まず、この蓚酸について認識を新たにしていただき、今後の食生活に活かしていただきたいと思っている。
蓚酸について・・・私たちの身体の不思議な作用の一つに蠕動運動というものがある。この作用は、消化管、循環の管(血管、リンパ管)、生殖器の管、排泄管など、各管に継続的な波状運動を起こして、その中のものを先の方へ推し進めるのである。この蠕動運動は、神経と筋肉が交互に行う収縮と弛緩の連続で、私たち自身の意識とは関係なく不随意的であり、まったく自律的に行われる。だが、この蠕動作用の効率は、これらの管の神経や筋肉の張力が健康で強力であればよい働きをすることは言うまでもない。 蓚酸は、蠕動運動の張力を保ち、刺激を与えるのに必要な要素の一つである。もちろん、その器官の細胞と組織が生きているのでなければ、不随意的活動によって行われるどんな運動も不可能なわけである。
生命は活動的、磁気的であるが、死には活動はない。このことは、私たちの身体の細胞と組織についても同様である。私たちの身体の、消化、排泄の系統を含む重要な器官のどの部分でも、病気や死があると機能は障害を受ける。これは、その部分の細胞と組織を養うための生きた原子が、私たちの食物中に欠如したり不足しているために起こるわけである。生きた食物というのは、生の食物の中にだけある生きた有機の原子を含んでいる食物を意味する。すでに何回も述べてきたように、食物の中に含まれている有機と無機の原子の問題は大切なことである。蓚酸については、いっそう重要である。生野菜と、その泥状の汁に含まれている蓚酸は有機的で、私たちの身体の機能にとっては有益で必要なものである。だが、調理加工した食品中の蓚酸は、死んだものであり無機的であることは明らかで、これは有害で破壊的である。無機の蓚酸は容易にカルシウムと化合する。蓚酸とカルシウムが、もし両方ともに有機ならば、有益な建設的な組合せとなって、蓚酸はカルシウムの吸収を助け、同時に身体の蠕動運動を刺激強化する。だが、無機の蓚酸は、同時にとった他の食物中のカルシウムとも結びついて療法の栄養価値を破壊してしまう。この結果、私たちの身体はカルシウム不足の状態に陥って、骨の分解さえ引き起こすような重大な結果を生ずる。また、蓚酸自信では、無機に変化すると、腎臓内に無機蓚酸の結晶を作ることがときどきある。
有機の蓚酸は、他の栄養素を完全に吸収同化するために、私たちの健康にとっては不可欠なものである。蓚酸を一番含んでいるものは、新鮮な生ほうれん草、スイスふだん草、ビートの葉、かぶらとからし菜の葉などである。
参考著書 「生野菜汁療法」ノーマン・W・ウォーカー著 樫尾太郎訳 実日新書