設楽ダム連続公開講座に参加しよう
2012年11月1日
先月中旬のこと、久しぶりに来店された会員Hさんからイベントの案内を何枚か頂いた。その中の一枚が設楽ダム建設の是非を問う講座だった。このダムの話しはかれこれ20年以上前から聞いていたが、今さらダムの時代でもないので立ち切れにでもなったと思っていた。しかしその読みは甘かった。私が知らなかっただけで粛々と建設のための工事が進められているらしい。政権交代のために一度は凍結された事業だったらしいが中止ではなかった。そのためまた息を吹き返したのだろう。この講座も事業を広く県民に知ってもらった上で、納得行く形で工事に踏み切るという見方もできる。では果たしてこの講座のことを県民は知っているのだろうか。地元のダムの建設場所に近い知人に尋ねてみたが、そんな話しは全く知らなかったという。告知はどのようにしているのだろうか、県のホームページで設楽ダムについて検索すると、設楽ダム建設事業についてというページに行き当たった。その内容を転記する・・・
「設楽ダムの建設を促進します~東三河地域の安心・安全と継続的な発展のために~ 国が設楽町で建設を進めている「設楽ダム」は、利水・治水の両面から東三河地域に安心・安全をもたらし、地域が継続的に発展していくうえで不可欠な施設であり、県政の最重要課題の一つと位置付けて取り組んでいます」
という具合で、建設ありきである。水源地振興に書かれている内容などはまさしく箱物行政そのものだ。まだこんなことをしているらしい。肝心な告知に関しての記載は見つかったが、これを広く県民に伝える努力をしたのだろうか。そのあたりの疑問を関係者に尋ねたところ、告知する広告の経費さえ出てないという。あきれた講座である。だれも知らない講座なのだ。逆に知ってもらっては困る講座なのかもしれない。一部の関係者だけが知って、一通りの講座を終えて手打ちにしようということか。まさしく建設ありきなのである。しかし肝心なそのダムの有効性についての歯切れが何とも悪い。利水、治水も現状で十分まかなわれている。山河を削って、長年住み慣れたところを離れる人を生み出す事業のどごが安全と安心の継続的な発展なのか。
建設中止を訴えるホームページに、このダム計画について詳しく掲載されていたので一部を下記に転記したい。
「・・設楽ダムの主目的は、治水でも利水でもなく、不特定容量(流水の正常な機能維持容量)であることがわかる。この6000万m3をどのように使おうとしているのか、事業者は次のような説明をしている。「豊川水系宇連川の大野頭首工(豊川用水の取水堰)下流で川の水がなくなる断流が生じているので毎秒1.3 m3の維持流量を確保する、また豊川の中流部にある牟呂松原頭首工下流の河川流量が少なく、現状の毎秒2m3より5m3に維持流量を増やすことが必要である。主としてこの二か所について、流水の正常な流量を維持するために、ダムで水を貯める必要がある。」こうして、川に水を流すために巨大ダムを造って水を貯める(流水を溜まり水にする)というのである。堆砂容量を除いた有効貯水容量9200万m3の65%、さらに洪水調節容量を除いた利水容量7300万m3の実に85%に当たる6000万m3が、『流水の正常な機能維持』のための容量という前代未聞のダム計画である。」
今どき、流水の正常な機能維持のために貴重な自然を破壊し、膨大な税金を使う事業をするだけの目的なのか、公平な告知のないこの講座に参加してみたいと思う。
日時:平成24年10月6日(土) 午後1時から午後4時まで
会場:愛知県図書館 5階 大会議室 (名古屋市中区三の丸1-9-3)定員:250名
テーマ:設楽ダムは何のため?
講演1 国土交通省中部地方整備局 久保宜之氏「豊川水系の治水・利水計画と設楽ダム事業について」
講演2 京都大学名誉教授 今本博健氏「ダムの治水機能について」
参考サイト 設楽ダム連続公開講座 第2回とよがわ流域県民セミナーの参加者を募集します
設楽ダムの建設中止を求める会