葉っぱ 新しい年を迎えて

2010年1月1日

昨年は、50数年ぶり政権交代という大きな政変のあった年でした。早速行われた事業仕分けという言葉が流行語になるくらい、日本の政治も大きく変わるのか という期待をもって新政権を見守り続けているうちに新しい年を迎えることになりましたが、仕分けのしわ寄せは、どうやら国民生活に響くだけになりそうな気 配です。そもそも税収が少ないのなら少ないように、政治家自身が律して自らの所得を見直す姿勢が一番求められてはいないでしょうか。それが国民代表の責任 だと思います。自ら痛い思いをせずに、傍らにある事業の仕分けをいくら注視したとしても、他人の空言にしか聞こえてきません。そこに大きな改革などありえ ないのではないでしょうか。
物価下落と景気悪化がスパイラル的に進展していくことをデフレスパイラルというそうです。その出口は一向に見えそうもないと評論家は口々に語っています が、これもよく考えてみると、物あまりの時代はバブル以降ずっと続いているのです。ほしいものは十分揃っているのです。今さら踊らされて買い直すようなこ とを誰がするでしょうか。一昨年の偽装問題が物語っているように、消費者が品質にこだわるようになったのです。偽装をしてまで売ろうとするわけですから。 その反面、質のよいものを奪い合うために価格が高騰する現象が起こり始めてきました。これは単なるデフレではなく、Y社長が言うように、消費不振(不 信!?)のひと言で表される気がします。
これだけ成熟しきった社会が最後に求めるものは、自らの健康ではないでしょうか。だからこそ少しでもよいものを求めて多くの市場に目が向けられているの だと思います。十数年お店に立ち続けて最近つくづく分かったことは、良いものだからといって、とり過ぎては何もならないといことです。過ぎたるは及ばざる が如しという言葉どおり、良いものでも過ぎてしまえば、体にかえって害になるのです。ましてや嗜好品だったらどうなるでしょうか。私自分でもそうですが、 分かっていても、ついつい過ぎてしまうのが人情なんです。その反動は、必ず自分にかえってきます。さまざまなサプリや、健康食品を使用するより、体の小さ な悲鳴にたえず耳を傾けることが、健康でいられる秘訣のような気がします。
「私は、アメリカでテンポラリーアビリティという言葉を学びました。これは、健康な人もケガをしたり、女性は時には妊娠も経験するので、人生という長い レースの中で考えれば、健康なのはむしろ一時的なことかもしれないという考え方です。誰が、いつ介護される側に回るかもしれないのです。」進行性筋ジスト ロフィー症(筋肉細胞を崩壊させる難病中の難病で、治療法も進行を止める方法も解明されていない病気)に、24才で発症し、首から下の運動機能を失った 春山満氏(当時44才)のこの講演録を聞いたのは、もう十年ほど前になりますが、テンポラリーアビリティ=一時的な健康というこの言葉は、年々重みを持っ て訴えかけてきます。世の中の景気が良かろうと悪かろうと、健康だけは自分の責任で維持できるものです。その健康維持に少しばかり手助けになれるよう、精 進してまいりたいと思います。
本年もよろしくお願い申し上げます。