AM I(アミ)
2009年9月1日
9月は、デコさんと平田シェフの料理教室が重なったこともあって、あっという間に一ヶ月が過ぎた気がする。そして、いつの間にやらシルバーウィークと名づ けられた連休が、そのスピードをさらに加速させたようである。と、こういう書き出しから始まるというのも、書く材料に事欠き、月末が迫ってくる例えようも ない焦りからである。毎月のことだから、もっと早く仕上げるよう周りに促されるのだが、そう簡単につらつら沸いてくるように書けるものでもない。結局、い つも泡食って印刷にかけているのが常である。
そういえばデコさんから、子供に読み聞かせていたらいつのまにか自分がはまり込んでしまったという話しを聞いて、早速取り寄せた本がある。『アミ 小さ な宇宙人』である。1986年にチリで出版されたというから、20年以上も前のことだ。たちまちベストセラーとなり、11ヶ国語に翻訳され、続編として 『もどってきたアミ 小さな宇宙人』『アミ3度目の約束 愛はすべてをこえて』がある。時間の関係でまだ続編は読んでいないが、読みやすいのも手伝って、一部はあっという間に読み終えた。不思議なことに読む前か ら、おおよその内容が分かっていた気がするし、読み進めていくうちに、過去に何度となく似たような物語を聞いたか、読んだ覚えがあるのだ。ひょっとした ら、潜在的に誰もが共有している情報(アカシックレコード)なのかもしれない。ただその時々の表現方法や、タイミングの違いで、見過ごしてしまっただけな のではないだろうか。そういう意味ではタイミングよく、自分という視点で向き合って読み進めていくと、この本に託された思いがよく分かった気がしたのであ る。本の内容は、聖書や、ありがたい教典、お経などに書かれている言葉を、大人から子供まで分かりやすいようにと、宇宙人アミが、翻訳でもするように読者 に紐解いて聞かせているようである。
若い頃・・という言葉を使わないといけない年齢になってしまったが、自分の内臓の存在を意識したことがある人が何人いるだろうか。食べ過ぎの腹痛以外 に、少々無理をしたくらいでは、自分の体なのに、それらの存在すら感じなかったのではないか。そのためついつい無理を重ねてしまう。その無理が慢性化して くると、今度は麻痺に変わる。そのうち、自分をおろそかにした代償は、あらゆる病いの表現となって現れる。そんな誤りに気づき、自分をいとおしく思い、大 切にすることができてはじめて、周りを大切にすることに繋がり、広い意味で世界をも一つにすることができるのだとアミは、少年に伝えている気がしたのであ る。少年が見た宇宙人アミ。実は、もう一人の自分自身ではないだろうか。
AM I?そう、自分自身に違いない。
「アミ 小さな宇宙人」 徳間書店