葉っぱ 暴力の連鎖

2003年5月1日

昨年の同時多発テロ以来、テロ首謀国とされるアフガニスタンの空爆、そして今回のイラクにおける戦争が落ちついたと思いきや、今度は隣国の核問題で周辺諸国に緊張が走っている。今や火種は至るところでくすぶりつづけ、その火種はともすれば大火につながりかねない危険性を持っている。
力による支配とテロリストの関係を、喩えは悪いかもしれないが、前者を抗がん剤、後者をガン細胞としたならば、大量の抗がん剤(近代兵器)をガン細胞(テロリスト)に浴びせたといえる。その結果、ガン細胞(テロリスト)の多くは破壊されたかのようにみえるが、無数の良性細胞(一般市民)が犠牲となっている。ガン細胞(テロリスト)だけが完全に死滅したのではないからだ。現実に降伏のない戦争が続いている。ガン細胞(テロリスト)は、身を潜め、そのため下手をするとリンパ(ネットワーク)に転移して全身を(世界)蝕むかもしれない。これを抗がん剤による副作用とするならば、現代医学のガン治療と何の代わりもない。転移を食い止めるために、抗がん剤を打ち続けることになる。
力による支配を続けるべきか否か。終わりのない出口を手探りでつき進んでいるように感じてならない。抗がん剤のルーツは、マスタードガスと呼ばれる毒ガス兵器の研究からスタートしたものだという。もともと「毒をもって毒を制する」発想から生まれたものだそうだ。
「目には目を、歯に歯を」バビロニアのハンムラビ法典の地を舞台に、果たして今世紀のガンを退治するだろうか。