ヘルシングあい便り

持続可能な開発目標2021.09.01

お便りで過去二回に渡って、偶然スクラップしておいた新聞記事を紹介したことがあります。国連の持続可能開発委員会が環境特別総会向けにまとめた記事で、1997年のものです(下中日新聞)。
 21世紀は水不足の時代と題したその内容は、2025年には、世界人口の3分の2が水不足に置かれるだろうと警告し、さらに、河川流量が半減する地域を示すとともに、インドや中国、日本の一部では、最大時の河川流量が2倍以上に増加、洪水の危険性が高まることを指摘していました。その記事から24年経った今、まさにそれは、現実なものとなろうとしています。
   NHKスペシャルで5回に渡って放映された、「2030未来への分岐点」をご覧になった方も多いと思います。その内の第1回と2回は、今から16年前にNHKで放映された「ウォーター・クライシス~水は誰のものか~」と重なる部分がありましたが、その深刻さはより進んでいるにも関わらず、現在に目を移すと、土地の開発は加速しているように見えます。しかも豊富な地下水を生む森林へのダム建設、メガソーラーの設置、リニアは、アルプスの地下水脈にトンネルを通すという無謀なことも進められようとしています。30年が分岐点と言っていますが、今がすでに分岐点ではないでしょうか。
 SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が、メディアで毎日のように取り上げられています。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。世界中でどんどん開発が進む中、誰一人取り残さないなど可能でしょうか。
 長崎県の佐世保市では、水道管の老朽化で2018年度の漏水量は年間約308万トン、山の田ダム6個分に匹敵するにも関わらず、その対策をなおざりにして小さな支流、石木川にダムを建設するといって、長年住み続けている住民対し、土地を明け渡すよう住民に迫り、今年遂に、工事の着工が始められました。 愛知県においても同じことが行われています。設楽ダムの建設は、約50年も前に計画されていたものが、民主党政権時に計画が凍結されたにも関わらず、自民党政権になってから再浮上し、建設反対だった大村知事は手を翻してGoサインを出すに至りました。
 豊川流域は、訪れた方はご存知、その名の通りとても豊かな川で、豊かな自然が河口域に六条干潟を作り、アサリ稚貝の水揚げ日本一と、わが国の貴重な海洋資源を育んでいます。上流でダム工事が進めば、その貴重な資源は、建設の生み出す汚泥等で失われてしまうことが危惧されています。二枚貝類のもつ水質浄化機能は、海水をろ過し、プランクトンや有機懸濁物を餌とすることで海水を浄化する働きがあります。その天然の浄水器、文句も言わず、タダで海水を綺麗にしてくれている貴重な資源が、ダムとともに失われるのです。それも私達の税金によってです。
 
 一体、何が持続可能な開発でしょうか。これ以上地球に負担のかかることは止め、少しづつでも自然が蘇るために何が必要かを一人一人が山積する問題について、立ち止まって考える最後のチャンスではないでしょうか。

新聞記事 のコピーhp3.jpg

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