ヘルシングあい便り

腸内細菌のちから2020.08.01

 先月、SNSにアップされていた内容を見せていただいたことがありました。それはコロナウイルスによる死者とその他の理由の死者の比較だったのですが、驚いたことに、今年の1月にお餅を喉につまらせた窒息死亡者が、何と千三百人いたということでした。また、例年猛威を振るうインフルエンザの死者は、昨年の1月は1日平均54人で、9月までに3千人以上が亡くなられていたことも知りました。こんなに大きな数字の割には、ニュースでその数が大きく取り上げることはなかった気がします。
 もし、お餅を食べて窒息死する人が多発、などとメディアが書きたてでもすれば、当然、お餅を控える人が増えるでしょうし、今までなんの意識もなく食べてたものが、それが原因で食べれなくなる人も出てくるでしょう。例年のインフルエンザも、ワクチンが足りなくなるというニュースもずいぶんありましたが、死者の数は出たことあるでしょうか?しかも、今年に入って、インフルエンザのニュー
スは、イの字もありません。
 まさしく、新型という未知なウイルスへの恐怖が、メディアの格好の材料になっていると思います。しかも毎日それを目にしたり聞いたりすることで、知らず知らずのうちに大きな不安や恐怖が潜在的に刷り込まれているのが現状ではないでしょうか。
 そんな中、NHK第ニ「こころをよむ」というラジオ番組で、「腸内細菌のちから」と題して藤田紘一郎先生のお話しを三週に渡ってタイミングよく聞くことができました。この先生は、サナダムシを計6匹お腹に飼っていたことから、別名「カイチュウ博士」と呼ばれている方です。飼っている間に花粉症はなくなり、中性脂肪が落ちてメタボが解消され、至って健康な体になったそうです。
これは一体何を語っているかというと、人間が生物界の大きな集団の一部で生活していたころは、お腹の中には寄生虫が必ずいて、宿主である人間と、寄生虫にとっても都合のいい体質に宿主を保とうとして、体にいろいろな良い物質を出して、病気になるのを防いでくれていたことを身を以て立証されたということです。今から50年前に、回虫が出すアレルギー抑制物質を特定して論文を発表したそうですが、日本の学会はほぼ黙殺。欧米の研究者のほうが関心を持ってくれたといいます。その欧米では、アレルギー疾患の原因が、先進国では衛生環境が清潔になり、微生物と接する機会が極端に減少する一方で、抗生物質の使用頻度が増加したために急増したという「衛生環境仮設」の報告が増加しているそうです。
 長年の免疫の研究から、免疫力の70%が腸から作られることが明らかになりました。腸内細菌は、5百兆~千兆個くらい存在していると考えられています。そしてその4分の3は、土壌菌や、私達の皮膚常在菌など、身近に存在する菌だということです。
 コロナの影響で、衛生面が強く叫ばれていますが、それ以上に抗菌グッズやファブリーズなどの除菌グッズが山のように売られています。さらに、滅菌対策で次亜塩素酸ナトリウムも使われていますが、水道水にも極微量含まれている強力な酸化剤です。使い方を間違えれば、私達の身近に危険が及ぶ品々が、いつの間にか私達を取り囲んでいることも忘れてはならないのではないでしょうか。
 健やかにいるため、過剰な衛生よりはむしろ、免疫力を向上する環境つくりのほうが先決です。腸内細菌のちからをよりパワーアップするためにも、ぬか漬けなどは比較的簡単にできる常備菜です。発酵食品を毎日取り入れ、ぬか床に手の常
在菌も仲良くして、今の困難な時期を乗り越えましょう。

参考:NHK こころをよむ 「腸内細菌のちから」NHK出版 藤田紘一郎氏著

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