ヘルシングあい便り

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オキナワへ行こう2021.04.01

 先月に岐阜県垂井町で行われたフェアトレードデイのプレイベント映画、『オキナワへいこう』を観ました。写真家で映画監督の大西氏が長年追い続けている精神科病院の長期入院患者たちを追った長編ドキュメンタリー映画です。ひとりの患者さんの夢「沖縄旅行に行きたい」を実現させることに看護師さんらが奮闘し、他の希望者4名含めて5名での旅行になる予定でした。ところが主治医の許可が降りない3人の患者が断念、許可が降りたもう一人の男性と二人、無事に沖縄を訪れることができました。これがきっかけで二人の生き方が変化します。その模様をカメラが追うのですが、断念した3人のその後にも光を当てながら、日常に潜む問題点を浮き上がらせていきます。弱いところ、声の届かないところにあえて視点をおいた素晴らしい作品でした。一番驚いたのは、何十年も精神科病院に入院している人がいるということ。そして何十年と入院し続け、退院の見込みがほとんどない慢性期病棟が日本にはあるということでした。調べてさらに驚いたのは、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は日本中で4百万人超。そして精神病床への入院患者数は約28万人、精神病床は約34万床で、世界のなんと5分の1を占めるそうです(数字は2017年時点)。欧米諸国が1960年代から80年代にかけて精神科のベッドを減らし、地域医療中心に移行したのに対し、日本は80年代末まで民間病院の精神病床を増やし続けた結果、突出した精神科病院大国になってしまったとのことです。
 多くの深刻な問題をかかえながらも野放し状態、中でも精神科特有の入院制度である「医療保護入院」は精神保健福祉法が定める強制入院の一つで、本人が入院に同意しない場合に、家族など一人の同意に加え、同じく一人の精神保健指定医の診断があれば、強制入院させられるそうです。ある人を入院させたいと考える側にとって極めて使い勝手がよい制度で、実際その件数は年々増加しているというのです。家族一人の同意が必要というのも、入院する時点に限ってのもので、いったん入院してしまったら、その後家族が同意を撤回しても、入院継続の必要性の判断はあくまで指定医に委ねられることになり、指定医の患者に対する権限は絶大なのだと・・恐ろしい話しと思いませんか?。今回の旅行で行けなかったのも主治医の許可が降りなかったからですが、なるほどそういう制度だからです。
 しかし舞台である大阪の浅香山病院は、そんなイメージを全く感じない明るくてオープンな病院で、しかも看護師さんたちが親身で、医療用ベットがなければ精神科病棟とはとても思えません。キャストの高齢なお二人を見ていると、ショートステイでも来ているのかなと勘違いするくらいでした。
 沖縄旅行の火つけ役でもあり、元千人のスタッフを束ねていた看護部長さんがインタビューに登場しました。現役時代、一生懸命患者さんのためにしたことが、かえって患者さんの自立心を損ねてしまったのではないかと後悔していると心境を語られました。その思いから退職後、NPO法人「kokoima」を立ち上げ、精神障がい者の自立支援や居場所を作ったそうです。 
 最近、85歳になる父に料理の手伝いをしてもらうようにしています。それまでは、手伝おうかと言われても、かえって時間がかかるし、面倒が先に立って、やってもらおうとは考えなかったのですが、その反面、手伝いも大事なリハビリになるのではないかと自問したりしていました。ある日、厚揚げを焼こうをフライパンを出したときに、何かすることはないかと後ろから声がするのでお願いしたところ、嬉しそうにフライパンとにらめっこを始めました。その間にお風呂に入ることができましたが、あがっ
ても、まだ焼き続けていました。弱火にしてあるので、意外にも丁度のいい焼き加減に、思わず褒めたら、それ以降、焼き専門で鮭やししゃもなども苦闘しながら一品料理の担当者です。人間である以上、人のためになにかしたいというのが人情なんですね。そういう思いを持てる環境作りをいかに周りが見守れるかに掛かっている気がします。映画のキャスト5名は皆どちらかといえば病的ではなく、社会復帰しないことが不思議でなりません。それが証拠に、沖縄旅行に行った男性の山中さんは、はるみさんという女性に街で声をかけられ、彼女ができます。そうして10年の入院生活に終止符を打ち、グループホームに移ることになったのです。彼女が最高の薬や~といった山中さんのセリフが最高でした。
 この映画を教えてくださった、エシカル・ペネロープの原田さとみさんに感謝申し上げるともに、今月から西区菊井のCBCハウジングで始まる「シネマ・エ・マルシェ」に是非、足を運んで観てください。めまぐるしく変わる町並みや環境に振り回されて、大切な小さな物事が見えなくなり、それがやがて大きな問題へと変貌していきます。地域の小さなコミュニティーが社会とつながり、小さな問題や声を伝える一人一人の力が問題解決につながると思います。

シネマ・エ・マルシェ
未来つなぐPROJECT〜世界に優しく、地域に楽しく、未来に美しく〜

参考:
精神病院から出られない医療保護入院の深い闇 東洋経済
精神科病院のどこが問題なのか、どうやって変えるか 原昌平 / 読売新聞大阪本社編集委員、精神保健福祉士

ヒューマニエンス 40億年のたくらみ2021.03.01

BSプレミアムで過去12回放映されているヒューマニエンス40億年のたくらみは、人間という不確かで不思議な存在とはいったい何なのか?まさに真の姿に迫っていくシリーズで欠かさず見ている番組の一つです。その内容の前に、インド独立の父であるマハトマ・ガンジーが、その著書「ガンジーの健康論」の中で、とても感慨深い言葉が書かれていますので、一部をご案内します。
 「無知が病気の原因の一つです。全くの無知ゆえに。もっとありふれた病気に慌てふためき、治療効果をあせってはかえって事態を悪化させることがしばしば起こっています。もっとも基本的な健康の原則を知らないために、間違った手当をしたり、ニセ医者のところへかけ込んだりすることになるのです。
 私達は遠くにあるもののことはよく知っているのに、手近なもののことをよく知らないことがあります。何とも奇妙なことのようですが、それが本当によくあることなのです。自分自身の村のことについてほとんど知らなくても、イギリスの川や山の名前を暗記していたり、苦心して星の名を覚えるのに、自分の家の中になるものを知ることが大切だとは考えないのです。(中略)
自分のからだほど自分と密接に関わっているものはありませんが、これほど私たちが無知、無頓着に対処しているものはありません。」
 もっと引用したいのですが、丸写しで終わってしまいますので、このあたりにしておきます。時代が変わっても私たちの思考は全く変わっていないようです。
 
 昨年から引きずって今でも世界を蔓延しているコロナ騒動は、私たちの欲の追求によって破壊された自然界からの警告ではないでしょうか。世界に衝撃を与えたアマゾンの森林火災には、地元の野焼きが原因もありますが、森を切り開いて牧草地を作ることで、同国の数千億円規模の牛肉産業を支えているともいいます。世界で起こる開発ラッシュ、日本でも不要なダムやリニアなど、生命の循環を破壊する作業が行われています。
 ヒューマニエンス40億年のたくらみは、人間が進化の過程で、細菌やウイルス、多くの生き物と共生して今に至ったことを明らかにしていく必見の番組です。つい最近放映された「"ウイルス" それは悪魔か天使か」では、哺乳類の胎盤に欠かせない遺伝子PEG10は、恐竜時代に私たちの祖先に感染したレトロウイルスがもたらしたものだそうです。ここ数百年の科学技術の進化で、目に見えないものが見えるようになり、多くの微生物が、生命に関与していることが分かってきました。驚くことに
微生物が雨を降らせているのではないかという研究まで行われています。ウイルスが見えるようになった現在、しかしもっと見えないものが関与している可能性はゼロではないのです。
 私たちは、ガンジーの言う通り、今一度、最も身近な生命ついて謙虚に学ぶべきではないでしょうか。
 「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である。」パスカルの随想録「パンセ」より

「タネは誰のもの」2021.02.01

 伊勢神宮で神に奉納される水田で、突然品種として現れた「イセヒカリ」。その当時は門外不出だったそうですが、全国各地の神社に種もみの下賜を認めました。その種籾を分けていただいた農家さんが育てたイセヒカリを取り扱っていましたが、高齢により廃業するからといってその種籾を譲り受けたのが2年前のことになります。昨年で2回、その種籾を発芽させて育苗し、その苗で田植えをして無事収穫をしました。この品種は、登録品種でも推奨品種でもないため、公的機関や農協による関与がありません。
 種子法廃止というニュースを耳にしたことは、少なからずあると思います。これはどういうことでしょうか。日本の種子生産は種子法に基づき、都道府県が伝統的在来種の保存や地域に合った多様な品種を開発してきました。農業試験場などで、その土地にあったお米や野菜などの品種改良で、その土地独自のブランド品を開発しています。しかし農業の自由化を進める政府は「民間参入を阻害している」として同法を廃止しました。
 「タネは誰のもの」が名古屋シネマテークで2月13日から公開されます。オンラインでも1000円で常時視聴可能なので、ご都合の悪い方でもいつでも都合の良い時間や場所で視聴可能です。この作品は、昨年の10月に種苗法改正の国会審議が再び始まったのことに対し、農家の不安や憤りの声を取材したドキュメンタリー映画です。農家が登録品種のタネを自由に自家採種し、自家増殖することを禁じた「種苗法」改正案。
 では、そもそも種苗法とは何でしょうか。野菜やくだもの、穀物、きのこや花などのすべての農作物の種や苗に関する法律です。新たに開発された品種を農水省に出願して、それが認められて登録品種となると、その独占的販売権が25年(樹木の場合は30年)認められます。つまり、開発した人の知的財産権を守り、その種苗がその権利を守って市場で流通できるようにするための法律といえます。一方その改正案は、登録品種を農家が種子をとるなどして自分たちで増やすこと(自家増殖)を規制し、新たな品種を作った者の知的財産権である育成者権を強めることです。
 「農家の基本は、1、種(種苗)、2,肥(土作り)、3、作り(技術)と言われる。その3分の1不安を抱えながら本業をやるのは悲しい」映画の中で、特に印象に残る言葉でした。これも自ら米作りをしたからわかったことです。果たして私自身、自ら土を向き合い、農業というものを肌で感じなかったら分からなかったかもしれません。
 私達の健康は、毎日いただく食物で形つくられています。お米やパンの小麦、旬の野菜、たくさんのその土地のミネラルや栄養を含んだ食物です。そして作り手の想いが入ってます。極端かもしれませんが、競争めぐる民間企業が知的財産を取得し、ベルトコンベアーで、製品か餌でも売られるよう
に、機械的に育った種子に変わったらどうなるでしょうか。
 私達に神から与えられている唯一の自由は、何を食べるかという日々の選択ではないでしょうか。資本力で何もかも合理的にという考えは、傲慢すぎないでしょうか。と言って、何も知らない
のも無責任です。是非、観ていただきたいドキュメンタリー映画です。

「タネは誰のもの」名古屋シネマテーク

参考ページ

コロナ時代の生き方2021.01.04

 「インフルエンザ・ワクチンは打たないで」を書かれた元国立公衆衛生院疫学部感染症室長、母里啓子さん。この本を店に並べたのは十年以上も前のことになります。私自身、インフルエンザにかかった記憶というのは、二十代前半に、普通じゃない体の節々の痛みや光熱で、丸一日寝込んだことがあり、明らかに風邪とは違う症状なので、インフルエンザではなかったかと思っています。先にも後にもこの体験だけで、医者にも行かなかったので、確かなこととは言えません。それにしても毎年累計一千万人以上も患者をだすインフルエンザ。本当にワクチンは効くのかどうかを疑問に思って手にしたのがこの本でした。
 その中の一部を紹介すると、
・インフルエンザウイルスはのどや鼻の粘膜に付き、そこで増殖する。インフルエンザワクチンは血液中にしか抗体をつくれず、のどや鼻には抗体ができない。
・インフルエンザワクチンはもともと流行を予測してつくられているだけであり、その上に、インフルエンザウイルスは日々猛スピードで形を変えるので、効果が期待できない。。等々。
 インフルエンザは、学校で感染して流行拡大につながるため、学童にワクチンを強制的に接種させることで防波堤にさせて(学童防波堤論)社会全体に流行を防ぐ目的で、小学校から高校まで何年にもわたって接種を実施し、多いときで千七百万人!そして二十年以上に渡って行われて、結局流行は収まりませんでした。その間、ワクチンによる被害者が出て、国が裁判で敗訴し、義務的接種が廃止に至るのです。何とそれまで一般の人にはインフルエンザワクチンを打っていなかったそうです
 さて、そんな母里啓子さんを話し手に、聞き手辻信一さんによる「コロナ時代の生き方」~怖いのは、パニックとワクチン待望論~がユーチューブでアップされているのを見つけました。その内容は、どんどん不安な状況にさらされている現状を、とても正面から分かりやすく、安心できる言葉で綴られています。
 物理学者にして随筆家である寺田寅彦氏が語った正しく恐れるという言葉は、「科学的な知見に依拠して恐れるべきものは恐れ、そうでないものを不必要に恐れることはやめましょう」というものですが、感染症を研究していた方が、このコロナウイルスに対して、どう感じているのか、そして私達はどうそれと付き合っていけば良いのかのヒントが見つかると思います。

 今年は辛丑(かのとうし)
「辛」下にあるエネルギーが上に出現上に向かって求め冒す。その過程で「つらい」「からい」がある
「丑」赤ちゃんが右の手を伸ばした姿。曲がっていたものが伸びる 始める、結ぶ、つかむ
緩やかな衰退、痛みを伴う幕引きと、新たな命の息吹が互いを生かし合い、強め合う年のようです。本年もよろしくお願い申し上げます。

ナマケモノ流「コロナ時代の生き方」~怖いのは、パニックとワクチン待望論https://www.youtube.com/watch?v=CW_xO0EuxfI

人間の土地へ2020.11.29

 先月、知人のイベント告知を見て、無性に行きたくなった講演会へ足を運びました。なんと日本人女性で初のK2(8611m)登頂者で、さらに植村直己冒険賞受賞者、しかもフォトグラファーで、シリア人男性と結婚し、2児の母という特異な経歴の持ち主でした。
 昭和48年生まれというその方は、小松由佳さん。学生時代は登山に明け暮れたとは思えないほど、ほっそりとして、可愛らしく、どちらかというと華奢な感じで、断崖絶壁を踏破したとは想像できませんでした。講演中、K2への登頂を目指す写真を何枚も見せながらその時の心境などを語ってくれるのですが、最後のベースキャンプから登頂を目指して出発するところから、ようやくこの人は登った人なんだと思えました。
 本来はリーダーがいたのですが、突然登頂当日に盲腸になって下山を余儀なくされ、それで年長で経験豊富な小松さんにリーダーの役目が回ってきたのだそうです。ラッキーなことに、登頂成功までは、好天に恵まれますが、途中、あと少し早く目的地に着いていたら雪崩に襲われていたというような、死と向い合せの出来事に何度も合ったそうです。登るより、降りるほうが危険。登頂成功より
も、命を優先して下山する勇気などと言われますが、予定より大幅に遅れて山頂に着いたため、そこから下山してベースキャンプに戻る半ばで太陽が沈み、真っ暗な雪山を、ヘッドランプの明かりをだけをたよりに、自分たちが登りで残した足跡をたどっていったそうです。しかし8200m地点で酸素ボンベが空になり、それでも進むか、休んで翌朝出発するかの選択に迫られました。そんな時、小松さ
んの脳裏に遭難事故の教訓が頭に浮かんだそうです。
 「たった一つの要因で、事故は起きない、大きな遭難事故の前には予兆のような小さな不協和音がある。ささいな要因がいくつか重なり、もはや後戻りを許さなくなった結果、致命的な事故へとつながる。」
 普段、私達の身近な出来事にも、こんなことはないでしょうか。遭難とは山だけではありません。災害は至るところに潜んでいます。自分の健康についてもそうです。きっと、何らかの不協和音を、私達も日頃どこかで感じていると思います。後戻りできるときに立ち止まってみる。このことが、強烈に胸に刻まれました。小松さんは、下山途中、電池を交換するもヘッドランプが点かないなどの要因がいくつもあったことを感じ、ビバーク(緊急的に野営すること)を決めたそうです。急な斜面にロープで身体を固定し、かろうじて座れる場所を削ったそうです。氷点下十度の世界です。寝てしまったら死が待っているかもしれない中、朦朧とする意識に光が指したのが、太陽の光だったそうです。
 登頂成功からしばらくして、山そのものではなく、山が生み出す風土に根ざす人間の姿に心を奪われていき、その後シリアに何度も取材を重ねた小松さん。人間を拒絶する山から人間の土地へと舞台はかわってからのお話しは、本当の豊かさとは何かを、異国で生活しながら、異なる文化の中で体感したことでした。様々な問題が世界中で山積して身動きが取れない状態が続いていますが、そんな中でも見方を変えさせてくれるお話しでした。
 小松由佳著「人間の土地へ」に詳しく書かれています。ご一読おすすめの本です。

排泄の効用2020.11.01

 お客さまとの話しの中で、よく出てくるワードは、便秘という二文字。女性は二人に一人が便秘と言われているほど日常化しているため、ピンとこない人も多いように思われます。そこで気になるのが、そんな親御さんのお子様のことです。学校では、一週間も便が出ないのを平気な顔で話している子も少なくないようです。これほど大事なことが、家庭内で話題にならないほど、日常化しているという
ことではないでしょうか。 私も学生時代に一度、授業中に激しい腹痛に見舞われたことがありました。痛くなったり治まったりの繰り返しだったので、授業が終わるまで我慢をしていたら、顔から冷や汗が出るくらいの痛みになったため、トイレへ行かせてもらおうと立ち上がった瞬間に気を失って、気がついたら保健室で寝かせられていました。立ち上がってそのまま倒れたそうです。前の生徒の机に顎から落ちて、そのまま床に倒れ込み、顎からは出血して、床に広がったため、教室が一時騒然となったそうで、今から思い出しても冷や汗が出る経験でした。幸いだったのが、衝撃で歯が折れなかったことです。
 このように、授業中だったり、体調がすぐれなかったり、女性は、特にホルモンの影響だったり、構造上腸を圧迫するため、排泄のタイミングを逃して、それが便秘の原因になったりするそうです。
 腸内で、便の停滞が起こると、異常なガスが発生し、それが脳の神経を刺激します。鬱や精神病が、便秘が原因と言われる所以です。私の場合も、我慢しすぎたために、腸内が酸欠になり、そのため、脳が停止したとも考えられます。
 便秘にはさまざまな要因が考えられますが、腸内の善玉菌を増やすには、食物繊維が豊富な食事が一番です。食物繊維が善玉菌のエサとなるからです。旬の野菜をジュースにしたり、白米を玄米に代えてみるとか、今はごぼうのシーズンですから、それら繊維豊富なものを料理に多用するなどして、腸内の環境が整う食生活で、ご家族のためにも便秘にならない体質づくりに心がけたいものです。なかでも重症な便秘の方には緩下剤のスイマグをお勧めしてます。甲田医院のホームページにその分かりやすい説明がありましたので以下に転記します。
 「人の体液と海水の成分はよく似ています。海水のエッセンスであるにがりをもとの原料とした緩下剤です。市販されているお薬の大部分が「大腸刺激性下剤」というタイプで、腸の神経を刺激することで排便を促します。作用が強いので、場合によっては腸内の粘膜に炎症をきたすことがあります。習慣性があるので、はじめはとても効果的ですが、次第に効果が弱くなくなり、結果として多くの量を服用せざるを得なくなってしまいます。それに比べてスイマグは、「塩類下剤」といって、塩類の浸透圧を使って水分を引っ張り、腸内の水分量を増やします。それによって、便が水分を多く含んで軟らかくなり、量も増えるため、蠕動運動が起こって排便しやすくなります。習慣性がほとんどなく、長期間の使用が可能です。」(以上)
 ピエール・デルペー氏の「マグネシウムの含有地は健康地である」と、ロビネー氏の「ガンの地質学証明」は、マグネシウム含有の多寡が便秘をするしないことを関連付け、また、ガンの多い地域と少ない地域を地質学的に立証しました。今から百年以上も前のことです。
 さらに、紀元前5世紀に活躍したヒポクラテスは、「すべての病気は腸に始まる」という言葉を残しています。腸の健康、排泄がいかに私達の健康にとって大事なものかを語るのに十分なことを賢者は後世に伝えています。

再会から十年経って2020.10.01

 年々、薄れていく過去の記憶の中でも、小さい頃に崖から落ちて頭を大怪我して、手術をしたり長い入院生活をしたりと、両親を心配させたことは今でも断片的ながら鮮明な記憶として残っています。特に、長かった入院生活では、家族的な雰囲気の病院だったせいか、院長ご夫妻はじめ看護婦さんにとても可愛がってもらって、楽しかった思い出しか残っていません。
 退院してからも、何かあれば決まって行く外科病院でした。当時の名医と呼ばれた先生を紹介してもらい、手術していただいたおかげで、後遺症もなく治ったことに感謝しなさい、ことある度に母親から言われてきましたが、おかげ様でその後は、病院に行くこともなく過ごしていました。
 そんな折、ちょうど十年前のお便りに書いたのですが、取引先の方から、こんな相談を受けたから会いに行って説明してほしいと言われたのが、何と当時お世話になった、院長夫人だったのです。 体調を崩したことがきっかけで、食事を見直し、それによってここまで回復したというお話しを伺いながら、四十年ぶりの思わぬ再会に時間を忘れて聞き入っていました。今の自分の仕事だから何らかお役に立てるご縁の不思議さを感じた次第です。
 そんな再会からさらに十年。今もそのご縁は続いています。先日、お歳をお聞きしたら九十歳ということでした。頭脳明晰で、シャンとしておられるので、そんなお歳には到底見えません。それでも、寄る年波で、筋力の低下や、足腰の不調など、仕方ない事情が襲ってきますから、一人での生活が次第に困難になっていくのを感じらずにはいられません。
 二ヶ月ほど前に、お電話を受けたときは、普段、気丈なお話し振りをするのに、全然覇気がないため理由を聞くと、排便がなく、お腹が苦しいということでした。頼まれものを持って伺うと、痛みで冷や汗をかかれていました。心配になって何かお世話できることはないですかと、お聞きしたところ、その時はお願いするからと言ったきり、しばらく時間が空いたのですが、その後、お電話を頂いたときも、まだ調子が優れない声でした。
 そこで、午前中は、野菜ジュースだけにして、空腹を抑えるりんごジュースくらいを数日続けられたらどうかとおすすめしたところ、大変調子が良いという嬉しい経過連絡をいただきました。
 体のリズムは、午前中は排泄の時間です。これは研究で明らかにされた「24時間周期の体のリズム」で、「人間の食べ物を処理する能力は、毎日決まって起こる3つのサイクル、毎日食べ物を取り入れ(補給)、その食べ物の一部を吸収し(同化)、使わない部分を捨てる(排泄)が効率よく機能し
ているかどうかにかかっている」に関する研究成果が発表されています。
  体からの老廃物を排泄する大切な午前中を、排泄を手助けするような生活に変えれば、大切なお肌や胃腸などに、とても良い効果があるのは当然のことではないでしょうか。いつまでも健やかでありたいというのは、誰しもが思うことです。しかし老いとともに健やかであり続ける難しさも、目の当たりする今日このごろです。排泄の時間である午前中をどう過ごすかが、健やかな生き方の鍵を握っているように思います。

抜け毛に効果!2020.09.01

 今年の五月後半に植えた苗は、立派に成長しています。毎年、お盆の頃になると、出穂し始め穂を実らせます、それから受粉をはじめるため、小さな花が咲きます。これが可愛らしくてなんとも言えません。その花が見られるのはその時期の一週間前後の晴れの日の午前中数時間だけというレアで貴重な花なんです。自分の花粉で受粉する自家受粉の植物です。立春から数えて二百十日(にひゃくとおか)がお米の実りを表しますが、イセヒカリはそれより一ヶ月以上遅く実ります。
今年の稲刈りが楽しみです。
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 昨年の四月ごろから店で取り扱うようになったシルク化粧品。化粧品の原料は、全て蚕を飼育した国内産の繭(まゆ)を使用しています。そのシャンプーとヘアエッセンスを使いだしてから毎年の悩みだった夏の抜け毛が少なくなったことを、以前のお便りでご案内したのですが、さらに今年、熱帯夜が続いた猛暑も通して、完全に抜け毛が止まりました。以前でしたら抜け毛がひどい時期は、頭を洗うと排水溝が髪の毛でこん盛りとなり、髪の毛を乾かすときには、さらに洗面台に髪の毛がパラパラ落ちるため、集めるのも大変でした。それが今年は、熱帯夜が続いたときに、毎日頭を洗っても、全く抜け毛がありません。しかも、髪の毛が少し太くなった気がしています。この頭皮の改善は、これも昨年からはじめた「かっさ療法」が効いているのではないかと思います。
 これは中国の民間療法で、その療法「刮(かつ)」は削る・さするという意味で、「痧(さ)」は汚血(おけつ)という滞っている血液のことを指します。専用の棒やヘラを使って皮膚の経絡や反射区を擦って刺激することで、毛細血管に圧を加えて血液の毒を肌表面に押し出し、経絡の流れを良くするというものです。
 当店のスタッフ大村さんが、その資格を持っているため、毎月一回ペースでお願いしていました。このかっさを先月もやってもらったですが、抜け毛のひどい頃でしたら、頭皮にけっこうな刺激のために、やってもらう気にならなかったと思います。過去には、頭皮の血流が悪いと思って、頭皮マッサージを抜け毛の時期にあわせてやってもらったところ、あまりに毛が抜けるので中断したくらいでした。
 ようやく十年来の夏の悩みが解消できた気がしています。それまでも、いろいろ試したりしてきましたが、今回、ベストな組み合わせで、頭皮環境が整い、改善に向かったのだと思います。結果が出るまでは時間がかかるものですね。
 そういえば、今年から野菜ジュースを作って飲み始めた方が、半年以上続けてみて、体が軽くなったと実感するとおっしゃってました。何事も継続は力なりです。
 コロナに関しても様々なことが言われていますが、自己免疫力がしっかりしていれば、インフルエンザにもウイルスにも罹りません。規則正しい食事と運動、私は毎朝毎晩の西式体操と温冷浴です。ヨガでもいいですし、ウォーキングも素晴らしい。体に貯金をしていれば、きっと体は守ってくれます。

腸内細菌のちから2020.08.01

 先月、SNSにアップされていた内容を見せていただいたことがありました。それはコロナウイルスによる死者とその他の理由の死者の比較だったのですが、驚いたことに、今年の1月にお餅を喉につまらせた窒息死亡者が、何と千三百人いたということでした。また、例年猛威を振るうインフルエンザの死者は、昨年の1月は1日平均54人で、9月までに3千人以上が亡くなられていたことも知りました。こんなに大きな数字の割には、ニュースでその数が大きく取り上げることはなかった気がします。
 もし、お餅を食べて窒息死する人が多発、などとメディアが書きたてでもすれば、当然、お餅を控える人が増えるでしょうし、今までなんの意識もなく食べてたものが、それが原因で食べれなくなる人も出てくるでしょう。例年のインフルエンザも、ワクチンが足りなくなるというニュースもずいぶんありましたが、死者の数は出たことあるでしょうか?しかも、今年に入って、インフルエンザのニュー
スは、イの字もありません。
 まさしく、新型という未知なウイルスへの恐怖が、メディアの格好の材料になっていると思います。しかも毎日それを目にしたり聞いたりすることで、知らず知らずのうちに大きな不安や恐怖が潜在的に刷り込まれているのが現状ではないでしょうか。
 そんな中、NHK第ニ「こころをよむ」というラジオ番組で、「腸内細菌のちから」と題して藤田紘一郎先生のお話しを三週に渡ってタイミングよく聞くことができました。この先生は、サナダムシを計6匹お腹に飼っていたことから、別名「カイチュウ博士」と呼ばれている方です。飼っている間に花粉症はなくなり、中性脂肪が落ちてメタボが解消され、至って健康な体になったそうです。
これは一体何を語っているかというと、人間が生物界の大きな集団の一部で生活していたころは、お腹の中には寄生虫が必ずいて、宿主である人間と、寄生虫にとっても都合のいい体質に宿主を保とうとして、体にいろいろな良い物質を出して、病気になるのを防いでくれていたことを身を以て立証されたということです。今から50年前に、回虫が出すアレルギー抑制物質を特定して論文を発表したそうですが、日本の学会はほぼ黙殺。欧米の研究者のほうが関心を持ってくれたといいます。その欧米では、アレルギー疾患の原因が、先進国では衛生環境が清潔になり、微生物と接する機会が極端に減少する一方で、抗生物質の使用頻度が増加したために急増したという「衛生環境仮設」の報告が増加しているそうです。
 長年の免疫の研究から、免疫力の70%が腸から作られることが明らかになりました。腸内細菌は、5百兆~千兆個くらい存在していると考えられています。そしてその4分の3は、土壌菌や、私達の皮膚常在菌など、身近に存在する菌だということです。
 コロナの影響で、衛生面が強く叫ばれていますが、それ以上に抗菌グッズやファブリーズなどの除菌グッズが山のように売られています。さらに、滅菌対策で次亜塩素酸ナトリウムも使われていますが、水道水にも極微量含まれている強力な酸化剤です。使い方を間違えれば、私達の身近に危険が及ぶ品々が、いつの間にか私達を取り囲んでいることも忘れてはならないのではないでしょうか。
 健やかにいるため、過剰な衛生よりはむしろ、免疫力を向上する環境つくりのほうが先決です。腸内細菌のちからをよりパワーアップするためにも、ぬか漬けなどは比較的簡単にできる常備菜です。発酵食品を毎日取り入れ、ぬか床に手の常
在菌も仲良くして、今の困難な時期を乗り越えましょう。

参考:NHK こころをよむ 「腸内細菌のちから」NHK出版 藤田紘一郎氏著

今年も無事田植えが終わりました2020.06.03

 桃栗三年、柿八年と言うことわざがあります。何事も成就するまでにそれ相応の年月がかかるという意味で使われますが、ちなみにその後の続きが面白いのでご紹介します。地方によってもさまざまな続きがあるそうですが、「梅は酸い酸い十三年」「梨の馬鹿目が十八年」「柚子は大馬鹿十八年」「林檎にこにこ二十五年」 などなど。
 植えてから実がなるまで十八年もかかっては、生産者もたまったものではありません。だから「大馬鹿」なのでしょう。この言い回しを積極的に色紙に書いたのが、あの『二十四の瞳』の作者坪井栄だったと、同志社女子大のホームページには、その続きの中で書かれていました。
 八年目の今年は、何かが自分の中で湧いてきたようで、一枚目の田んぼは、ユーチューブで見た畦の作り方を実践して、それが意外に様になってました。そして一番難しい山からの豊富な水が一面に行き渡るようにする代掻きの作業。入口と出口の流れを調整したことと、田起こしで山になった場所の土を移動させることを丁寧にしたところ、高低差がなく、今までで一番上手にできたように思います。

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 過去の七年間は、山からの水の流れを読めず、水深にムラができて、田面が凹凸となり、生育ムラや雑草の害に悩まされてきました。すべての作業が人力。膝下まで深く沈む田んぼは耕作機械が使えません。鍬一本での田起こしで、今まで腰や膝を痛めたりと、自分の非力さを痛感したことが何度もありましたが、今年は、そんなトンネルから抜け出す一歩目の年になる気がしています。
 今年の田植え参加者は、2家族含めて8名(うち子供2名)と、過去一番の人数でした。
 家族4名で参加されたKさん一家は、一列に並んで苗を植えている時の呼吸がぴったりで、初体験とは思えませんでした。大勢で行うお米作りには、古くからそれを祭りとして楽しんでいたことが伝わっています。
 伊勢神宮内の伊雑宮御田植祭では、早乙女が田んぼに神様を迎え男らがドロを塗り合います。そのまま泥遊びとなり、土が混ぜ合わされ稲が植えやすくなるというのです。実際に田起こしをしながら何度も泥と戯れたい心境になります。一人でやってたら、いよいよアイツ頭に来たか?と思われますが、大勢でやれば楽しいでしょうし、田んぼも熟されて作業効率も上がるし、その後の稲の成長にもとても良いのでしょう。
 伊勢市楠部町にある神宮神田。ここで毎年、伊勢神宮の神様に捧げるお米が作られています。起源は2000年前。伊勢に神宮を定めた倭姫命(やまとひめのみこと)が、この地で神の米を作るよう命じたと言います。そして、その御神田からいただいたイセヒカリを種籾から育て、今年も無事、田植えを終えました。さて、今年も順調に稲が育ってくれれば、10月には実りの季節を迎えることになります。聞こえてくる音といえば、風と鳥の声。そんな日常とはかけ離れた空間で、黄金色に実った稲穂を刈り取る作業にご参加希望の方は、お知らせください。

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