ヘルシングあい便り

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眠りにつく迄に2019.12.01

 先月のこと、新聞を読んでいたら、最近出版された書籍の紹介がされていました。膵臓ガンで余命宣告された母が永遠の眠りにつくまでを家族の苦悩と葛藤を織り交ぜたエッセイという内容に、おもわず手に入れたくなりました。
 それから二週間ほど経って、注文したことも忘れかけた頃にその本は届きました。どちらかというと軽快な調子の文章スタイルで、どんどん読み進めていける内容でしたが、突然、余命宣告を受けてからの風景は、私がそうだったように、どこか現実離れしたところに自分がいて、平静を装った一日がまた始まるような重苦しい空気が伝わってきて、自分自身の当時のことが目の前に浮かんでくるようでした。
 作者の家族は、現代医学を受け入れ、がん治療と自宅療養という選択肢をとっていました。そしてデイケアを時折取り入れながらも、なるべく家族で四六時中面倒を診るというスタイルです。それが当人にとって一番いい方法だとつくづく思いました。しかし一方で、私の家族間でもありましたが、なんとも言えない重圧で起こってしまう衝突や喧嘩。これがとても病人には負担になります。なぜ回避するため、デイケアを取り入れながら衝突しないようできなかったかを悔いています。突然の非日常の状態が続くと、そのストレスたるや大変なものです。その人数が増えれば増えるほど、よほど仲良い関係でないと介護は無理でしょう。そのため患者は、いつしか病院で面倒を見てもらうという他人事にな
ってしまったのだろうと思います。
 がん治療のために起こる痛みの壮絶さは、当人が生きている証でもありますが、それと引き換えに、介護する側の神経を衰弱させていくことになります。それでも、平静で介護しなくてはなりません。これが現実の問題として起きてくることをこの作者は教えてくれました。
 私の母も、今思うと、病魔からの痛みに、我慢強く耐えていたのかもしれませんが、朝から晩までの自然療法やコウケントーの効果か、痛みを訴えたり、悲痛な表情を見せたことがありませんでした。あるといえば、毎日夜中に体の置き場所がないと言って、何度も体を起こしたり、寝かしたりしたことがあったくらいで、この本を読んで、介護のうちに入らないくらいと感じた次第です。
 母が亡くなって間もなく、膵臓がんの末期の方が来店されました。病院では治療の施しようがないということで、ビワ温灸に命を託したそうです。そうしたところ、余命を遥かに超えてご主人とご一緒に、温灸のもぐさを買いに来れるくらい元気なので驚きました。
答えは一つではないということですね。
 ますます現代病が蔓延する今日。誰しもが、明日その主人公にならないとは言えません。非日常にならないためにも日頃の自分自身へのケアが必要です。
 自分のために、そして周りのために、一度そうなったときのことを考えてみる機会が必要ではないでしょうか。この書籍を皆さまも手にとってご一読をおすすめします。

眠りにつく迄に 文芸社 此木田かおる著

自然に還すこと2019.11.01

母が亡くなって以来、やることが増えたために、目が行き届かなくなるのを痛感する毎日。例えば玄関にある植物が枯れ枯れになってしまっていたり、冷蔵庫の片隅にカリカリになった野菜を発見したりなど、言い出せばきりがないのですが、少し落ち着きを取り戻してから、浄水器を通したお米の研ぎ汁や、野菜を洗ったお水などをそれら植物にせっせとあげていたところ、いつの間にか、緑を吹き返し、今では凛とした佇まいを見せてくれています。
 野菜も、抗酸化素材のエンバランスにしっかり保管するようにしてから、新鮮が長持ちするために、ロスもなくなりました。新鮮袋やラップはとても便利です。このエンバランスも、ミネラルを含む良質な水を特殊加工して作られたもので、当初は疑って使い始めたのですが、結果が見てわかるために、使わないと損な気がして取り扱いを始め、すでに当店では15年以上続くイチオシ商品の一つとなっています。
 
 昨年の今頃から、カフェの捨て野菜を庭に埋めるようしました。自宅では当たり前にやっていたことなのですが、毎日の使用量が違うため、やるのに躊躇していたわけです。しかし実際やってみると、土はフカフカになってくるし、ミミズがいつのころか泳ぎ回るように活躍してくれてます。以前は、ベジブロスを作った捨て野菜も土に入れていたのですが、あんなにいたミミズがいなくなったため、生のものだけをあげるようにしています。その中の種が知らぬ間に大きく育ち、かぼちゃのきれいな花が咲いています。無数の昆虫も顔を出すようになりました。それを狙ってか、珍しい鳥の姿も見かけす。

 こんな些細なことに気づけるようになったのも、お米作りをはじめたからだと思います。大きな地震が東北を襲ったのが8年前。自分でもなにかしなくてはと思って行き着いたのがお米作りでした。幸いにもその翌年、南知多の大井の里山が、耕作放棄地となっていたところを、名城大学の先生と生徒とご一緒させていただくことになりました。
 山から穏やかに流れてくる水が途絶えない田んぼは、一足入れると深く沈みこむため作業は困難。工具も使えないので全て手作業です。そこで田植えをしている時にあっと驚いたのが、無数の生物が、その中で溢れ出すように生まれてくるのを感じたことでした。たくさんの生物が田んぼを棲にし、生と死を繰り返しながらその養分を吸収して美味しい食物になり、それをいただくことで私達の血や肉となっている。命の循環を感じました。
 たくさんの恵みに囲まれて、そこで生きることを許されているのが私達たち人間ではなんですね。そこでしか生きられないことも知っているはずなんです。
 八年目の今年は、イセヒカリの籾を譲り受けて、発芽から挑戦しました。育苗は、友人に頼みましたが、無消毒で育った苗も、立派に成長して、先月末に稲刈りを終えました。稲架掛けをして乾燥させ、今月の中頃には脱穀、下旬には美味しい新米がいただけそうです。
 週に一回、カフェでもこのイセヒカリをご提供する予定です。オール人力、無農薬無肥料、天日乾燥の玄米を是非、一度お召し上がりください。

消費税増税を考える2019.10.01

 今から九年前、ロンドンへのはじめての一人旅。その目的は長くなるので差し控えますが、その年のロンドンは、大雪でした。成田空港での搭乗の際、ヒースロー空港が大雪で着陸できない状態のため、前便は日本へ引き返したとのことでした。案の定、ロンドン上空まで来ていても着陸する様子がありません。どうお空港の除雪作業を旋回しながら待っていたようで、予定より3時間以上の遅れで無事にゲートを出たのですが、既に辺りは薄暗く、深々と雪は降り積もっていました。英語もまともに出来ないので身振り手振りでなんとか宿泊先までの行き方が分かりました。
 地下鉄の最寄り駅に到着して、階段を上がっていくと、辺りは白銀の世界。氷点下を大きく下回る気温。映画のワンシーンかと思うのもつかの間、この状態でどうやってホテルに行けばいいのだろうか!?。下手したら凍死?。落ち着いて案内図を探すと、出口付近にそれを発見。シンプルで分かりやすい図にストリート名を探して、難なく宿に着きました。前置きが長すぎましたが、もう少し続けさせていただくと、翌日は、ロンドン中を手当たり次第観光に繰り出し、チューブ(地下鉄)を程なく乗りこなせるようになりました。ここでも路線が色分けされていて分かりやすい。チケットを購入するには窓口もあるのですがとても割高。どこの国でも人件費が一番高い。それを当たり前にしているところが日本との違い。日本のスイカにあたるオイスターカードを購入すると約半額近くで乗れることも分かりました。
 3日間の短い旅でしたが、翌年から消費税が20%になることもあり、緊縮財政を感じさせました。地下鉄の蛍光灯は何本か切れていて、社内が真っ暗になることもありました。しかし、一人もそれに動じていません。新聞は人の見たものを使いまわしても当たり前。慎ましさを感じたくらいです。一方で我が国はどうでしょうか?
 原発事故以来、薄くらくしていた電気をまた煌々と照らしながら原発を稼働することを当たり前に口にする政治家。消費が落ち込んでいるのに更に上乗せしてとどめを刺すような増税策。自動車への追加関税を回避する代わりに、農産品関税引き下げなど、私達が生活していく上で一番必要なコミュニティーがどんどんと追いやられていきます。生産者が高齢化する中で、国際競争力なんてあったものではありません。そして今度の軽減税率が施行されると、今までレジを持たなかった小規模の店舗はどうなりますか?税金の計算だけで大変なことになるでしょう。日本の良いところは、それぞれの
地域にコミュニティーが存在していて小さい町ができていたことではないでしょうか。商店街などはその名残だと思います。それを根本から引き裂くのが、今回の増税に思えてなりません。
 9年前にイギリスを訪れた時、多くのカフェでは、ようやく日本で普及され始めたエアレジに近いものを使っていました。システムをデジタル化に移行するには、あまりの開きがありすぎるのです。我が国は海外からの観光で一時的に潤っているにすぎません。生活水準が低下する中、8%にあげた税金をさらに上げるとはどういうことでしょうか。軽減税率というならいっそのこと税率をなくせばいいでしょう。イギリスでは、食料品や、日常生活に必要なものの多くはゼロ税金です。フランスは、自国の産業を守るために軽減税率を導入しています。自国で生産が盛んなトリュフやフォアグラ、バターを軽減税率の対象にしているのに対し輸入が多いキャビアやマーガリンは対象外です。当たり前のことです。本当に今の政治家に任せておいていいのでしょうか。

九星氣学を学んで2019.09.01

 九星気学と言うと、毎年朝刊に入ってくる高島暦。易学は、今から六千五百年程前の中国で太昊伏犠によって八卦が出来、文王・周公により易経として体系確立し、孔子により王経として大成されたそうです。そして気学の説明には、「人は、誕生した瞬間から、地球の大気に包まれ成長してまいります。その後、太陽・月・地球等、宇宙との関わり合いの中で、影響を受け、生活してまいりました。この天と地の間で生活をしている人間の運命との相関・組み合わせを体系化し、確立したものが「九星気学」」とありました。
 これまでお金を出して学ぶ機会が何回とありましたが、たまたま参加した年が八白土星が中央に来る八方塞がりの年回りだったり、恵方や暗剣殺などの方位ばかりに気を取られたりで、やめてしまいました。
 今回、ニューヨークからお越しいただいた野田先生とは、東京での食事会でご一緒させていただいたことがあり、その時の九星氣学についてのお話しがとても魅力的だったので、今回お越しいただくことになりました。
 野田先生曰く、「日本での九星氣学の位置付けは一般的に、占い、方位学と捉えられていますが、私が九星氣学を学んだのはマクロビオティックを通してなので統計学的に陰陽五行をベースに宇宙の動きを学び、そのサイクルに反映して人間である私たちがどのように反応して動いているか、統計的に九つの性質や気質に細分化し、それぞれの性質を深く知ることなんです。そして、あくまでもこれは道具の一つであり、指針となる良いものですが、この道具に私たちが動かされることはありません。どのように人生を楽しく生きたいのかはそれぞれ皆さんの自由な選択にあると思います。」
 このようなお話しから分かる通り、たいへん腑に落ちる話しばかりで、前半、後半二時間の計四時間が、とても短く感じられました。合点がいったことが沢山ありましたので、特に心に残った内容をご案内したいと思います。
まず、易という漢字の成り立ちです。これが「日」「月」を上下にした合字で、陰陽であり、人間は『太陽=陽』と『月=太陰』の光の影響を受け、それを頼りに処世してゆくという意味です。
そして氣学の氣。昔は中に米を書いていました。そのお米の字が、八方を示すということです。お米を中心とした食文化を続けてきた民族だからこそ、この九星氣学は、私達に知らない間に身近になっていたのかもしれません。
 お米の田植えは四月頃。そのため、私達の生活リズムは、新年度が四月に始まりますね。面白いことに欧米は小麦の文化。小麦を蒔くのは九月。だから新年度が九月。さらに付け加えると、お米離れで、パン食傾向にある我が国は、新年度を九月にする案さえ出されているそうです。
 この見事なシンメトリーは、人々が食とともに生活リズムが形成されることを物語るのに十分ではないかと思います。
 野田先生の九星氣学講座は来年の二月に当店にお越しいただく予定です。

量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」2019.08.01

 先月行われた参議院選挙でれいわ新選組が躍進しましたね。小沢一郎氏と決別してまだ半年も経たない短期間で9人を擁立し、2議席を獲得して国政政党になったわけですから、山本太郎という人物が国会で追求してきたこと、政治家として活動してきたことを多くの国民が認めたということでしょう。そうでなければ党全体で228万票、自身、当選者を含めた比例区の全候補者の中で最多の約100万票を得ることなどできないでしょう。原発のことも、先に立って追求した人物です。いよいよ本当の政治を行う政治家が現れる土台が作られたのだと思います。これからの活躍が楽しみです。

 毎朝の日課にしていた読書。それがつい最近まで、読む心のゆとりがありませんでした。ところが、ふと目に入った題名に惹かれて取り寄せた一冊の本、『量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」』は、自分の気持ちを楽にしてくれました。私達の世界は、目に見える世界。マクロな世界です。目で見える世界だけを追求した科学や医学などの飛躍ぶりは、数千年以上の人類史において、ここ100年足らずなものであるのに、ここに来てますますその信者は膨れ上がっているように思います。しかしまだ発見されてないような世界、不可解な現象というものもあっておかしくないのではないでしょうか。そんな思いをこの本が解き明かしてくれました。
 この世にあるどんなものでも、焦点を当ててどんどんズームしてミクロな世界を垣間見るとき、原子と軌道を回る電子になるそうです。そしてその電子は粒子性と波動性の働きを持っていて、見る人の意思によって動きが変化するというのです。マクロな世界で私達が考える相対性な世界は、ミクロな世界では立証できないことを、量子論によってすでに科学的に立証されていたのです。そのことが何を意味するのでしょうか。私達を取り巻く世界は、人間だけではなく、そのすべてに宇宙の意思を持って存在しているということです。そして日本の神話は、はるか昔からそのことを伝えていたことになります。自然と共に生きてきたことを、八百万の神々と言う言葉に託したのではないでしょうか。すべてのものに宇宙の意志が働いている。その宇宙を神と表現したのでしょう。
 新約聖書の聖句「イエス答えて言い給う。神を信ぜよ。誠汝らに告ぐ、人もし此の山「移りて海に入れ」と言うとも、その言うところ必ずなるべしと信じて、心に疑わずば、その如くなるべし、この故に汝らに次ぐ、全て祈りて願うことは、すでに得たりと信ぜよ、しからば得べし」祈りは願いを実現することが、すでに二千年も前にバイブルで説かれていたのです。
 目に見えないからこそ、感じる能力があります。その直感とも言うべき感覚が、この世とあの世との境界線ではないでしょうか。全国各地で行われているお盆の行事。それこそ死を超越した風習ではないでしょうか。今はいない愛するものは、見えないだけできっと近くで見守ってくれていると、
この本が伝えくれているように感じました。

誰も見ていない月は存在しない
   月は人が見たときはじめて存在する

参考著書:量子論から解き明かす「心の世界」と「あの世」岸根拓郎著 PHP出版

抜け毛に効果?2019.07.01

 今年で七年目となるお米づくりは、これまでで一番順調にきています。いろいろな要因があると思いますが、代掻きが思いのほか上手にできたため、水深にむらがなく一面に山からの水が行き渡って、雑草を抑えることができていることと、田植えにご参加いただいた方々が大変上手に苗を植えてくださったので、雑草が抜きやすいことが大きいと思います。そして、今年ははじめて種籾から発芽させました。育苗は友人に助けていただきましたが、ここまでの難しい工程をできたことは、貴重な体験になりました。伊勢神宮の御神田から分けていただいたイセヒカリの種籾です。秋の実りまで見守って、今年もカフェのランチでご提供できるようにしたいと思っています。

 以前にも、一度触れたことがあるのが私の抜け毛問題。秋に抜けやすいとはよく聞くのですが、私の場合は、ここ十年ほど暑くなり始める五月後半から六月ごろから洗髪すると異常に抜けます。側溝に毛がコンモリ溜まるときもあって、毎年のようにそろそろ丸坊主かと覚悟するほどです。ところが秋の気配がしてくると、抜け毛の量が減り、次第に持ち直すということの繰り返しをしています。
 今年は、嬉しいことにその傾向にストップがかかりました。その大きな理由が二つあります。一つは、シルクの化粧品を取り扱い始めたため、重曹からそのシャンプーとヘアーエッセンスを4月から使い始めました。一度使ってもらえば、地肌に良い感じがすることが分かると思います。約2ヶ月になりますが、髪にコシが出てきました。湿度が高くなるこの時期は、髪の毛がベタつき感があるのですが、それもありません。
 もう一つの理由をあげると、中国の民間療法「かっさ」を毎月してもらっています。当店のスタッフ大村さんが、その資格を持っているため、体験させてもらったのですが、やってもらうと頭がスッキリします。それこそ今まででしたら、毛が抜けるのが心配で、やらなかったと思います。
 聞き慣れない「かっさ」とは、一体どんな効果があるのかを聞いてみました。
「刮痧(かっさ)療法」=その療法「刮(かつ)」は削る・さするという意味で、「痧(さ)」は汚血(おけつ)という滞っている血液のことを指します。専用の棒やヘラを使って皮膚の経絡や反射区を擦って刺激することで、毛細血管に圧を加えて血液の毒を肌表面に押し出し、経絡の流れを良くするというもの。全身を巡っている経絡を刺激し、気、血、水の流れを整えます。いわば東洋医学的なデトックスだそうです。
 そんなわけで、地肌に刺激を与えるためか、さらに髪にコシが出た気がします。亡くなる前に、母の頭が石のように硬かったので毎日マッサージをしました。いろいろなことを一人で抱えていたのかと思うと切なくなりましたが、血の巡りが悪くなると、体はどんな場所も固くなります。頭って意外
に気が付かない場所なのかもしれません。この二つの効果がテキメンなのか、7月の声が聞こえるこの頃でも、洗髪の抜け毛はほとんどありませんし、寝具にもほとんどついていません。
 さて、これから本格的な夏を迎えます。肉体的にも精神的にも厳しい季節ですが、頭皮の様子に更なる変化がありましたら、ご案内させていただきます。
 皆様もこの時期、土用も控えております。くれぐれも無理なされぬようお体ご自愛ください。

母を看取る 22019.06.01

 先月は、たくさんの方からお悔やみのお言葉や、お心遣いをいただきまして、ありがとうございました。四十九日を無事終えることができて、ようやく落ち着いてまいりました。その間、様々なことがありましたが、身近な人達に支えられたのはもちろんのこと、知っておいて良かったというお話しや書籍などに触れていたことも、救いになった気がしています。
 死をテーマに、20年ほど前の講演会でお話しされたカール・ベッカーさんという方がいます。縁あって一昨年、再びお話しを伺える機会がありました。死に対する心構えという、普段触れられそうで触れられない事柄を、正面から見据えた内容が心に響いたのですが、実際に大切な人を失って、いかに人は人に支えられて生きているのだということを痛感しました。
 父は八十三歳で妻を亡くしたのですが、母が亡くなってからしばらくは、心ここにあらずでしたので、一人にしておけず、今でも店に一緒に来て仕事を手伝ってもらっています。2ヶ月ほど経った今では、顔つきも代わって来て、ようやく母の死を消化し始めた気がしています。
 これ以降は、以前にもご紹介しましたが、カール・ベッカーさんのお話しの内容をご紹介します。
 「西洋東洋を問わず、大事な人に死なれてしまうと、1、2年も経たないうちに、事故や、病気、精神異常や最悪の場合は鬱や自殺などの確率が高くなります。そこで、ある病院で本人患者自身が長くないとわかった時点で、毎月のようにパーティーを行います。そのパーティーに、どうせ死ぬんだから何を飲もうが食べようが自由で、持ち寄せの物を飲んだり食べたりして、一緒に泣いたり笑ったり黙り込んだり握手したりして、そして本人がいなくなってからも、同じ仲間や家族を呼び寄せて、毎月数回ほどその儀式を続けます。そうした場合にそれら発症例が激減したのです。しかしこの知恵も日本人は昔から持ち合わせてます。それが初七日や四十九日、初盆、一周忌など定期的に親戚や友人などを集めて行うことです。」
 アメリカ人でありながら、日本の文化を深く、そして優しく紐解き、この風土で生きていく生き方の智恵を教えられた気がします。
 
 皆様から、裸療法や、こんにゃく湿布とビワ温灸の方法についてもお問い合わせいただきました。裸療法は、皮膚を空気にさらし、主として酸化作用ならびに尿酸の発散を促し、血液、リンパ液の浄化します。亡くなる日の朝も、裸療法を手伝いましたが、気持ちいいととても喜んでくれました。皮膚の弱い方、寝付きの悪い方には卓効があるのではないでしょうか。一日二回、日の出前と、日没後に行ってください。慢性病の方は、回数を増やしてもいいと思います。
 こんにゃく湿布とビワ温灸では、私は母に、ビワ葉を当てたこんにゃく湿布をしました。ビワの安息香酸には強力な鎮痛作用があり、モルヒネよりも強い効果があるとまで報告されています。こんにゃく湿布はそれをさらに高めるようです。以前、末期がんの方が来店されて、その方法で温灸をすると、実際にガンの痛みが消えますよと教えてくださったことがあります。天然の成分でモルヒネと同じ効果があるビワ温灸を、ぜひ心の片隅に留めておいてください。
 

母を看取る2019.05.01

 つい最近まで普段どおりだった母が、突如、食事が喉をうまく通らないと言い始めました。体の変調は、それから数日後、近所に歩いて買い物に行こうとしても、息苦しくなって戻って来たと不安そうな顔を見せました。掛かりつけのクリニックに行って検査をしてもらったところ、肺と心臓に水が溜まっていることが苦しい原因だったことが分かり、他に何点か数値が気になるので大きな病院で診てもらったほうが良いということでした、長寿医療研究センターへ診察に行ったのが三月十五日。CTと血液検査の結果、私だけが医師に呼ばれて、膵臓がんであることを告げられました。しかも肝臓にも転移していて、半分以上は機能していないということでした。本人への告知を任され、膵臓がんに効く確率四割の抗がん剤を勧められました。
 自宅に戻って、母にがんであること、抗がん剤が効く可能性が四割あること、それ以外の方法として、自然療法があることを伝えました。私自身はその時、抗がん剤はしてほしくないと思って話していましたから、知らず知らずに誘導していたのかもしれません。結果として、家族で母のサポートに全力で当たることになりました。この時のために自分はこの仕事をしてきたのだとも思いました。その翌日から、ガンの進行を抑えるために良いと思われることを行いました。それは、日の出前の裸療法、ビワ葉こんにゃく湿布、そしてビワの葉温灸、毛管運動や金魚運動。夜は、生姜湿布で体の毒素を表面に集め、それを里芋パスタ吸い取るイメージを伝えて四時間おきに湿布を交換しました。
 驚いたのが裸療法の効果でした。まだ肌寒かった時期でしたが、下着を脱いでは着ることを続けるうちに、日の出の薄明が美しく空を染めはじめ、その療法を終える頃には気持ちいいと言って、吐き気で寝付けないと言っていたのにぐっすりと一時間以上は寝ることができたことでした。体も軽そうなので期待をし始めた一週間後、看護のストレスの間の父と母の口論は身内でみる難しさも痛感しました。嘔吐により食欲が減退しているため、玄米クリームも次第に食べられなくなり、乳酸菌生成エキス入りの水は美味しく飲んでいましたが、一転、それを飲むと吐くようになり、温かい柿茶を与えたところ、美味しいと言って起き上がって飲んでいましたが、次第に嘔吐に血が交じるようになり、夜中の2時くらいが、寝ていることが辛いようで、体を起こしては身の置き場がないのを見ていると、何にもしてあげれない自分の非力さを痛感しました。
 四月一日に、裸療法をしようと体を起こそうとすると、だんだん負担が重くなってないか?今年のお米作りは大丈夫か?と、自分の体の心配より人のことを心配をしている母に、親の愛情の深さを感じました。
 その夜、酸味の強い匂いがする血の嘔吐に異常を感じると何が起きているのか不安の中、母の意識が朦朧とする中で、突然呼吸が乱れ、息を引き取りました。
全く普段と変わらない顔色で、あまりにもあっけない最期を目の当たりにして、本当にこれでよかったのかを毎日、自問自答し続けています。もっと早くわかっていて、同じことをしてあげてたらと思うと悔しくてなりません。
 寝込むまで自分流を貫いてきた母でした。洗濯すら寝込む一日前まで自分のやり方があると言ってやらせませんでした。それが、無理が効かなくなってからは、すべて一言、「おまかせ~」でした。なぜもっと早くと思うばかりです。西式健康法には、決して無理しないという大前提がありますが、病というのは、自分を追い込んでしまう性格も多分にあると思い知らせれた気がします。
 この経験が、今後皆さんに何かお役に立てることに繋がるよう勉強していきたいと思います。
そして、母の介護から葬儀までの間、お店をキリモリしてくださったスタッフの皆さんに心から感謝しています。

ご家庭の食品をチェックしましょう2019.04.01

農水省が行ったアメリカとカナダ産の小麦のグリホサート(除草剤)の残留検査で、なんと90%以上から検出されているということが明らかになっています。
グリホサートはモンサント社が開発した除草剤ラウンドアップの主成分で、さまざまな除草剤に使われており、この成分に耐性を持った遺伝子組み換え作物とセットで販売することで散布量が格段に増えています。グリホサートは、収穫前(プレハーベスト)農薬として、収穫の前に散布して実を一斉に乾燥させ一度に収穫しやすくさせる薬剤です。まさに効率重視で、生き物に対する配慮が全くありません。
 この方法での収穫を我が国で生産する小麦は禁じられていましたが、下記の通り大幅な基準緩和により、これから全国各地で、この農薬が散布される恐れがあります。さらに、「そば」に至っては、改定前の150倍!!です。
 ただでさえ重篤な症状を引き起こしやすいアレルギーとして注意が必要とされている食品です。ここに来て気が狂ったような経済優先の政治運営が目立ちます。
これ以上景気がよくなるなんて、本気で考えている人がどれくらいいるでしょうか。今でも十分、生活するのに事欠きません。その生活を破壊しているのは、行き過ぎた緩和政策で、どんどん手仕事が
奪われるからではないでしょうか。人命を軽んじたこのような政策に対し、身近な政治家にノーとはっきり意思表示をしましょう。彼らは私達の代弁者なのです。
そして、ご家庭の小麦製品を一度チェックしてみませんか。醤油などの調味料から、加工品まで恐ろしいくらい身近な食材であることに気が付きます。
まさに自分の身は自分で守る時代の真っ只中です。


農民運動全国連合会、資料より
グリホサートhp.jpg

内臓とこころ 22019.03.01

沖縄島東海岸の辺野古。 絶滅危惧種・ジュゴンの餌の海草(うみくさ)が広がり、最も重要な生息地の一つであり、高さ二十メートルの断崖をなすコブハマサンゴをはじめとしたサンゴ群落が密集している自然の宝庫。そんな貴重な資源が残る海を埋め立てて、米軍飛行場を移設する工事のため、大量の土砂が投入されている映像が流れているのを無念に思う人は少なくないはずです。
 沖縄の県民投票では7割を超える反対票が示されました。それに国はどう応えるのでしょうか。
 民主主義の根幹に迫るこの票の行方は、決して対岸の火事ではないはずです。メガソーラー、リニア、ダム建設などの工事が当然とばかりに進む中で、そこで暮らしている人たちの生活も脅かされています。経済効果という名ばかりな政策で、二度と復元できない豊かな自然環境や私達の住むところさえ奪われようとしてます。
 今や私達の住むこの国は、一昔前の技術大国から姿を変え、海外から年間三千万人ペースで推移している観光客を視野にして観光立国に突き進んでいます。そんな伸びしろのある産業を後押しするため、民泊などをはじめとした規制緩和も行われました。まだ多くの自然や古い町並みが残る日本に、多くの外国人の方に来ていただき、文化や人に触れていただくことはとても良いことだと思います。それを証拠に、上位に北海道や京都、沖縄など、その動きは地方に向かっています。
しかしその一方で、先に述べたような環境破壊が悠然と行われているのです。
 多くの観光客が訪れる北海道で、地震による甚大な被害がありました。つい最近も震度6を観測しています。頻発する自然災害は、道路やダム建設など、自然環境を破壊することに対する神からの警告ではないでしょうか。
 先々月のお便りでもご案内した三木成夫著の「内臓とこころ」から、人胎児の顔貌変化の図をご紹介します。
 受胎32~38日の頭部と手の変化です。これら4つの姿は、4億年かけて進化してきた生命の記憶だと著者は語ります。右上の図は、32日目、軟骨魚類として海を離れずに4億年生き抜いてきたラプカの姿。36日目の右下は陸上に上がった爬虫類の姿に。そして38日目には哺乳類の顔にと、
脈々と続いてきた生命の進化を見ることができると教えています。私達の祖先を辿っていくと、すべて数億年という生物発生当初まで遡ることができるということです。私達は自然の一部なのです。その大きな自然に支えられて生命が育ち、私達が存在していることを語りかけています。

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