ヘルシングあい便り

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ウォータークライシス(ヘルシングあい便り2005年10月号)2015.12.01

 年の瀬に、今から10年前に書いたお便りを掲載させていただこうと思う。下の新聞記事は、その8年前、1997年の中日新聞。この記事は正確に18年経った現在、そしてこれからの行方を見事に言い当てている。世の中が物騒になっているのも深刻な水飢饉が理由の一つである。何不自由なく生活できるわが国は、水道を捻ればいくらでもその恩恵を得られる。その幸いが災いし、この大変な時代になってもこの恩恵に対して敬意を払うことを忘れてしまっている。10年後、この記事の言う通りならば、世界人口の2/3が水が飲めなくなる。最終戦争を予感させるものである。
 日本に生まれて、豊かである恩恵を噛みしめて、私たち一人一人は何をすべきか。真剣に考えるべき時だと思う。

ウォータークライシス(ヘルシングあい便り2005年10月号)
                         
 気になってスクラップしておいた新聞の記事がある。8年も前のものだ。興味を引いたのは21世紀は水不足の世紀という言葉だった。四季を通じてまんべんなく雨が降るわが国にいてはピンと来ないことなのだが右下の大幅に伸びる農業用水のグラフは未来への不安をかきたてた。人口爆発といわれた20世紀。食糧危機が叫ばれる中のささやかな記事は、1997年6月に国連の持続可能開発委員会が国連環境特別総会向けにまとめられたものだった。それが今、まさに現実のものになろうとしている。
 残暑が厳しい8月の終わり、NHKの「ウォーター・クライシス:2回シリーズ」の2週に渡った特集
を見た。石油獲得闘争よりも熾烈であると言われているのが生命としての人間に必須の資源、水をめぐる闘争であり、21世紀は水戦争の時代とも言われている。この強烈な文句は、その内容を見るにつけ大げさな表現ではないことが伝わってくる。
   はっとして数年前のこの新聞記事のことを思い出して部屋中を探し回った。世界の用途別淡水割合は、生活用水10%、工業用水20%、農業用水70%と農業用水が断然多い。その理由は20世紀の百年間に、人口は4倍に増加、農業用水使用量は6倍にも増加したことが原因らしい。特に深刻なのが世界の食料供給源になっているアメリカ中部のオガララ帯水層の地下水の低下。数千年かけて蓄えられてきた地下水がセンターピボット方式により無計画にくみ上げられ、あと20年ほどで枯渇する地点も出始めるという。膨大な地下水を使うのは、肉食牛の飼料とうもろこしの増産である。
とうもろこしは小麦の3倍水を必要するが収入も3倍になるからだ。
食パンの原料の小麦を1キロ作るのには、2トンの水で済むのに、牛肉を1キロ作るのにはその10倍の20トンもの水が使われてしまう。
 年間降水量2000mlにも及ぶわが国が、500ml以下の他の国から食糧を大量に輸入している。
豊富な水に恵まれながら食料自給率40%満たず、小麦やとうもろこしの大半をアメリカから輸入しているわが国は真っ先に影響を受けることになるだろう。
8年前のこの記事は、人類の終焉を予測しているかのように新しい。
覆水盆に返らずとならぬよう願うばかりだ。

新聞記事 のコピー.jpg







桃栗三年柿八年2015.11.01

  米作り三年目の今年も無事に稲刈りが終わり、あとは籾摺りを残すのみとなりました。昨年は2度も台風で稲架掛けしていた稲が飛ばされたために、それをかき集めに行くのに一苦労したことを思うと、天候一つで事態が急変する大変さ、ましてそれを生活の糧としていたならどうなったことか。自然を相手にすることの難しさと、だからこそ目に見えないことへの信仰、八百万の神様に祈りを捧げる気持ちを肌で感じることができた二年目でした。
  実は今年になって、新城にある四谷千枚田という絶景な場所でもやらないかと声をかけて頂き、無謀にも南知多と2ヶ所を掛け持ちしました。南知多の田んぼは耕作機械が使えない不便な場所なために休耕田となっていたのを、5年ほど前からを名城大学の小池先生が里山を再生させることをゼミの一環として取り組みをはじめられ、そのお手伝いをさせていただいたことがきっかけでした。農業一年生。なりふり構わず見よう見まねで田を起こし、次は田植えと考えている暇などありません。ただ慣れない姿勢で、しかも泥濘でズブっと深く足をとられるために、じわじわ体力が気力を奪っていきます。これでは高齢になれば無理なはず。休耕田になる理由と、農薬や化学肥料を使わないことの大変さが身にしみた一年目でした。しかし、畑ほど手間がかかるわけではありません。田植えをしたら雑草に負けなくなるまで見守っているだけです。週に1、2回程度のこと。それと引き換えに農薬を使う必要あるでしょうか。ましてや田んぼの中には雑草だけではありません。多様な生物が共生しています。その生物たちの生と死の絶え間ないサイクルが、土の養分を豊富にして、また私達の体を形成する食物として還ってくるんです。田植えの時期の5月、水を張った水田ではカエルの合唱が聞こえてきます。命芽吹く時です。その声も除草剤とともにピタッと止まってしまうのです。生き物を殺すんです。毎年自殺者の多い月といえば5月。全国各地で行われる農薬散布の時期と重なることは果たして偶然でしょうか。
  年ごとの色々な出来事が体験となり、また農業を通じて人との出会いもあって、今年の米作りは自分にとって貴重な一年になりました。昔のことわざ通り、桃栗三年柿八年ですね。どんなことでも、成果が出るまでには長い年月がかかるということです。そんなことわざが死語になるくらい農耕を主体とした国家作りが、ここ数十年で一変しました。最も大切な食物は輸入にますますシフトし、山や農耕地は今でも道路やダムなどの公共事業により失われつつあります。では、私たちはこのまま他人のふりをして黙ってみていて良いのでしょうか。
 日本の伝統的な食生活は、長い年月をかけてその素晴らしさを継承してきました。その大切にしてきたものが、ユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、今や日本食=ヘルシーとして世界各国に愛され、ブームが巻き起こっています。その一方で、わが国では農耕の崩壊とともに食の破壊がどんどん進んでいます。こんな馬鹿げたことがありますか。先人が築き上げてきた貴重な風土、食文化、それをただ商売の種としか考えられない浅はかな知恵しか持ち合わせていないとしたら、近い将来間違いなく破綻をきたすことになるでしょう。衣食足りて礼節を知るとは、まさに我が国が一番耳の痛い言葉に違いありません。
 さあ、これから4年目を迎えます。まず、四谷千枚田でスタッフとともに収穫した種子消毒なしで天日干ししたイセヒカリの新米をカフェのランチで週一回ほどご提供させていただこうと考えています。
 そして来年はこの収穫の喜びを、もっと多くの方と分かち合えるよう取り組んでいきたいと思っています。 

アルケミスト(錬金術師)2015.10.01

   最近カフェに来店される外国人の方が増えている。先月初旬のこと、カウンターでまかないを食べていたら、隣で英語で会話している声が聞こえてきた。振り向いてみると、顔の彫りが深い東洋人男性、女性二人は東南アジアを感じさせる雰囲気をしていた。食事を終えたその方々が精算をするためにレジに来ると、一人の女性が流暢な日本語で話し始めた。彼女はビーガン(厳格な菜食主義)のため、食事できるところ探して当店に来てくれたそうだ。とても美味しくて気に入ったと言ってくれた。そして付け加えて言うには、自分はあいち国際女性映画祭にフィリピンのミンダナオ島を舞台にした映画に出演した女優で名前はMaraだと教えてくれた。彫りの深いその男性は彼女のお父さんで徳之島出身の日本人。彼女も6歳まで日本に住んでいたという。その後は海外を転々とし、今はフィリピンに一人で住んでいるそうだ。久しぶりの父親との再会で、はしゃぐという言葉が似合うほど仲が良く終始ご機嫌だった。そしてもう一人の女性はその映画を作った監督だった。是非映画を見に来てくれと強く念を押された。
 翌日、「カナ 夢を織る女」と題したその映画を見るためウィルあいちを訪れた。台本を読んで、主役にどうしてもなりたいと思ったそうだ。大規模な開発が進むミンダナオ島の美しいセブ湖の周辺に住む先住民族であるティボリ族、そこを舞台にした若い二人の悲哀の物語だった。彼女を含めた6名の俳優以外はすべて現地の村人、しかもセリフもティボリ語。3ヶ月という短期間で選ばれた俳優は語学も習得して役に望んだことになるが、そんな素振りすら感じさせない素晴らしい映画だった。 Maraが今回、来日してまず向かったのがブックストアらしい。そこで父親にすすめた本が「アルケミスト」ー夢を旅した少年ーだったという。どうやら大ベストセラーの本らしく、そんな話しを聞いて読まない訳にはいかないので購入した。内容は、羊飼いの少年サンチャゴが、アンダルシアの平原から長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えてエジプトのピラミッドへ、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて旅をするものだ。一見、何てことはない内容が、読み進めていくうちにその物語に吸い込まれていった。
 久しぶりに気持ちのいい本に出会った。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」など、貴重なメッセージが数多く散りばめられていて、いつか忘れさられていたものを取り戻した気がした。
 あの日に彼女たちが食事に来なければ、こんな素晴らしい本に出会わずに今も暮らしている。別段知らなくても生きていける。しかし豊かな人生を作るということは、瞬間の出会いの糸を紡いでいくことの繰り返しなのかもしれない。繰り返し織りなしていくことで、一層深まった自分に出会う。それが地中にある宝物、本当の自分を見つけることになるのではないだろうか。

「アルケミスト」ー夢を旅した少年ー 角川文庫 パウロ・コエーリョ

フェアトレードタウン認定都市 名古屋2015.09.01

  暗いニュースが多い中、今月の19日に名古屋市が正式なフェアトレードタウンとして認定されることになりました。日本では熊本に続いて2番目になるそうです。タウンという言葉が付くように、名古屋市がフェアトレードの活動を深く理解し、より広くその精神を普及するという役割を担うといわけですから大変明るいニュースです。
 ではフェアトレードとは一体どういうことかを簡単に明記します。
コーヒーや紅茶、バナナやチョコレートなど日常を彩るたくさんの食べ物が世界の国々から私たちの手に届けられています。それらを生産している国、人々のことを考えてみたことはあるでしょうか?
  日本では途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。一方生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたりする事態が起こっています。生産者が美味しくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証れ、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。
   フェアトレードとは直訳すると「公平な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。(フェアトレードジャパンより引用) 私達が日常、何気なく買っている食料品や衣類など、その多くが輸入に依存しています。豊富な品物に
取り囲まれている状況が当たり前になると、私達の神経が麻痺してくるのでしょうか。何の後ろめたさもなく物を廃棄したり、物が安い理由などを考えるより、安いもの安いものへと手をのばす傾向になます。私達はもう十分すぎるほど有り余った生活をしているはずです。私達一人一人が足元を見つめ直さなければ、この広大な地球の資源さえ、ここ数年で食べ尽くしてしまうでしょう。私達の身の回りのものをもう一度見つめ直しませんか。小さな疑問が、私達の生活環境を大きく変える原動力になると思います。
 今回のフェアトレードタウン認定にあたり、ご尽力されたフェアトレード名古屋ネットワーク代表の
原田さとみさんの言葉を最後に一部ですがご紹介させていただきます。
 「国内でも職人仕事が消え、小さな企業、商店が減り、自然の浄化作用を超えた廃棄物で山、森、川、海、自然の環境を壊しています。私達は自然に対しても、地球に対しても、地域に対してもフェアでありたいといの思いから、フェアトレードの理念を広くとらえ、地域に根ざした地産地消、地域活性化、地域貢献というフェア(公正)を目指します。地球から自然の恵み、水、空気、土、光などに対してもフェアに付き合い、美しい地球を未来に残せるように、私達は「地球とのフェアトレード」を理念にフェアトレードを推進しています。フェアトレードタウンとなったこれからがまた始まりです。
皆様とともに取り組むことで、名古屋でのフェアトレード活動を広げ、深めていきたいと思っています」

2015.08.01

24周年を終えて・・・・・・・・・・・・・
 おかげを持ちまして、無事24周年を終えることが出来ました。この場をお借りして御礼申し上げます。今回の24周年イベントは、今まで行っていたプチマルシェを、当店としてはじめての試みとなる屋外の駐車スペースを利用して行いました。遠くは犬山や豊橋と、計8店舗ものご出店者さまにお越しいただき、しかも台風の影響もなく、天気にも恵まれまして大変盛況な一日となりました。また料理教室会場でのヨガイベントもたくさんの方にお越しいただけました。
 この度このイベントに携わっていただいた関係者の皆様と、お越しいただいた皆様に重ねて御礼申し上げます。来年は、今回の経験をベースにさらに楽しんでいただける催しができたらと考えています。今後共、よろしくお願い申し上げます。
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 料理教室の会場にある神棚の榊の水とお米、お塩を毎日取り替えるのは、身に付いた日課となっている。新年に新しい榊にかえてから、ついこの間の6月ごろまで半年もの間元気な姿でいたが、このところの暑さで日持ちが悪くなった。(※榊は本来なら月に2度、1日と15日に取り替える習わしになっている)
 それは致し方ないことなのだが、最近、改めて驚くことを目にした。普段、榊の水も料理教室にある浄水器の水を使用している。当然塩素もろ過するために、毎日水を交換してもその水に雑菌が繁殖するため少し異臭がする。これを疑問に感じたスタッフが、ある時水道水にかえた。水が腐るから榊が悪くなるのだろうと思ったからだ。ところが何と榊は一日で、無残にも枯れてしまっていた。そして榊の水の異臭は、普段より増していた。
 普段、何気なく飲んでいる水道水。安全だとおもいきや、これには次亜塩素酸ソーダという酸化剤であり、消毒薬が含まれている。塩素と呼ばれるものだ。これがものの腐りやすい夏場には、当然たくさん使われる。浄水場からそれぞれの家庭に運ばれる間に、滅菌していない水なら雑菌や病原菌が繁殖しても不思議ではない。そのための仕方ない処置と言わざるをえない。しかしこの次亜塩素酸ソーダが、発がん性物質であるトリハロメタンや有機塩素化合物を生み出してしまうのも事実だ。食品添加物と同様に、危険なものという認識が必要のはずである。しかし、水はその利用範囲が広い。お米をとぐことや、野菜を洗うなど、洗うのにもたくさんの水が使われる。それを市販のミネラルウォーターを使っていてはお金がいくらあっても足りない。しかしその洗うところで、すでにお米や野菜が、次亜塩素酸ソーダによって栄養素が破壊されることもっておいてもらいたい。
 幸い、私は30年近く浄水器を通した水しか飲んでいない。学生時代には簡易的な浄水器しかなかったにせよそれを購入してから、欠かさず浄水器を変えてきた。おかげで水道水を直接出された場合、そのニオイですぐ分かる。慣れというものは人の感覚を麻痺させる。とても恐ろしい。
健康のために、一番大切なものとは何と言っても水である。榊の変化を見て、簡易的な浄水器でも良いから設置することをおすすめしたいと強く感じた。 


ダムネーション上映会を終えて2015.07.01

   先月のダムネーションの自主上映会、そしてマルシェに予想以上に多くの方々に来ていただきましたことを、心より感謝申し上げます。来てよかったと何名の方にもお声をかけていただき、このイベントをした意義があったと嬉しく思いました。
 この上映会をしようと思ったきっかけをたどると、今から3年ほど前に遡ります。民主党政権で凍結された設楽ダムについて、もう一度県民が共に考えようという目的で公開講座が企画され、その運営チームでありタレントの原田さとみさんからその貴重な情報を教えていただいたことです。当時、愛知県が主催する一般公開講座とは言いながら、県側のホームページに案内する程度、宣伝するわけでもないので一般には知る術もありません。数千億かかるダム工事が必要か否か、県民にその負担を強いるわけですから、広く声を聞きたいと言って新聞広告に掲載くらいできるはずです。知らせたくないんですね。皆さんが情報を共有すれば、ダムの必要性がなくなってしまう恐れもある。このような一方的な情報公開の名のもと、聞きに来なければ幸い県民にご理解いただいたということで、今度は公共の名のもと人のことはお構いなしで工事に着手する。世の中良くなるわけがありません。
   設楽ダムの公開講座は24年から始まって、26年まで計10回行われました。そのうち最初と最後を除いた8回の講座に足を運びました。ダム反対側と推進側の国土交通省、それぞれ専門の先生の話しを聞くことで、毎回、様々な角度で設楽ダムの建設に対する問題点が浮き彫りになりました。それに対する国土交通省の答えは、決まってすでに決まったもの。一切が問題ないの一点張りでした。もはや県民のための行政ではありません。国の事業の報告会のようなものです。こんな傲慢な態度の方々がダム建設を行うのです。だから住み慣れた住民を立ち退かせてでも断行するのです。人や環境に配慮した工事などできるわけがありません。最近の土砂崩れや山腹の崩壊などの問題は、このような不用意な工事によるものが少なからずあるのではないかと思います。
  「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そしてビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」先月ご紹介したこのダムネーションを制作したパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナード氏の言葉です。この映画を見て、ダム建設は私達の意識次第で止める事ができると確信しました。ライフラインである電気と水道という当たり前に供給されているものに、今まで無関心すぎたのです。その無関心が原発をこの小さい国に54基も作りました。そして3・11を引き起こしました。このまま黙っていたら、今度はかけがえのない水にまで問題が及ぶでしょう。電気も人々の意識が変われば節電して原発を動かさなくても生活できることが分かりました。では水はどうでしょうか。今現在、一人あたり一日平均240Lの水を使うそうです。風呂桶8分くらいです。飲水や生活する上で必要なのは2から3Lです。では一体何に使われているのでしょうか。何とその9割以上が、トイレやお風呂など、何かを洗う目的で使われているのです。一人一人の心がけで無理なく節水すれば、もはやダムの必要性はなくなるのではないでしょうか。すべてが私達一人一人の意識にかかっています。
 上映会にパネリストでご参加いただいたパタゴニアの支店長が、最後に南アメリカ先住民に伝わるお話しを披露してくださいました。
 山火事が起きて、森の生き物たちがわれ先にと逃げるなかを、一羽のハチドリがくちばしで水の滴を運んでは燃えさかる火の上に落としていました。動物たちがそんな事して何になるんだと笑っています。ハチドリはこう答えました。「私は、私にできることをしてるだけ」

ハチドリのひとしずく 光文社 辻信一監修 1,234円 ヘルシングあい店頭でも販売しています

ダムネーション上映会を前に2015.06.01

 「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そしてビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」 このダムネーションを制作したパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードの言葉である。1970年代には米国最大のクライミング・ギアのサプライヤーでありながら岩を傷つけるギアを作ることで自然に害を与える張本人となってしまった。その後彼はその事業から撤退し、ハンマーを使わず手で岩に押し込んだり抜いたりできるアルミのチョックを開発したという。
 ダムネーション、この映画の概要をご紹介させていただこう。アメリカ全土には、なんと7万5千基のダムがあるらしい。しかしそれらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。むしろダムの維持には高い経済的コストもかかっている。そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。この映画は、そんな無用なダムを次々と爆破して撤去していくことにより、川が解放され、みずから元の姿に回復していく過程をフィルムに収めている。
 なぜ今この映画か。今回この上映会を主催する気持ちになったのは、愛知県にも巨大なダムの建設が行われようとしているからだ。今から40年前に計画が持ち上がり、その計画も一旦は民主党政権時に凍結されたものの、自民党政権に戻ってからまた公共事業の大幅な拡大路線の一つとしてダム建設も息を吹き返した。本来ダムというのはその性質上、洪水調整や治水目的で運用されたり発電などに用いられる。ところが最近のダムは、その方向性があやふやになってきた。この設楽ダムにしても元々は発電ダムとして調査が開始されたのだが、今になっては「流水の正常な維持の目的」?どういうこと?? つまり川に流すための水を蓄えるということに主目的が変わっていた。こんなことのために2000億もの税金が使われようとしている。こんな目的ために、故郷を失う人たちがいる。寒狭川峡谷に沿って走る国定公園区域が水没しようとしている。さらに、今や陸揚げ日本一である三河湾のアサリにまで被害が及ぶ可能性さえある。三河湾六条潟は干潟や浅場が多く、あさりが生育する条件にとても恵まれている。ところがダムによって、下流への土砂供給が乏しくなるおそれがある。一体、誰にとって有益な事業といえるのだろうか。日本一の特産品とまでになった漁業にも不利益をもたらしかねない公共事業を、なぜ県民を守る立場の行政が、国と一体となって推し進めるのか。このような理不尽なことに声を上げなければ、ゆくゆく私達の住む場所さえ、追われることになるのではないか。
 世界有数な企業が集まるここ愛知県。しかしその中に、県民と地域の環境のことを考えてる企業はあるだろうか。外資系企業であるパタゴニアが自ら映画を制作し、それを社員が一丸になって普及している。一人一人の行動がそのまま自らの仕事になっている。人間本来の豊かさというのは、きっとそのような生き方ができることではないだろうか。 ちなみに私達は1日に平均して240㍑の水を使用している。その主な使い道で群を抜いて多いのがトイレや炊事、洗濯という洗う目的で、なんと90%以上の水を浪費している。この洗い水を一人一人が一日1㍑でいいから節約すれば、全国から不要なダムはなくなるのではないか。そのことを私達は3・11で学んだはずである。

 ぜひ、当日足をお運び下さい。前売券は当店でも販売しています。

京都へ小旅行2015.05.01

 カフェメニューの開発という目的で、先月店を休みにしてスタッフと京都へ行ってきた。ただ、私には休みの関係でなかなか行く機会がなかった神社巡りという別の目的もあった。 式年遷宮を前にしてお伊勢さんを訪れた翌年から米作りを始めることになった。塩をめぐって伊豆大島や島根まで行ったことで、日本人と米作りの関わりを深く感じるようになった。共通する何かがある。 そんなことでスタッフの了解のもと、東名阪で奈良で神社へ参拝し、それから京都へと向かうことになった。後で分かったことだが、古いカーナビのせいでインターを一足手前で降りていた。しかしそれが幸いして奈良の自然な風景と、町並みをしっかり見ることができた。一番感じたのは自然とともにある日本の原風景。それが至る所に点在していた。心躍る思いだった。
  最初の目的地、大神神社にほぼ予定時間に到着した。9時頃だったと思うが、観光客ですでに混み合っていた。幸い一番近い駐車場が空いていたため、そこに車を止めて参拝へと向かった。ここ大神神社は、三輪山そのものを神体(神体山)としており、本殿をもたず、江戸時代に地元三輪薬師堂の松田氏を棟梁として造営された拝殿から三輪山自体を神体として仰ぎ見る古神道(原始神道)の形態を残している(ウィキペディアより)。東名阪でここに向かう途中にある椿大神社も鈴鹿山系の中央に位置する高山(入道ヶ嶽)短山(椿ヶ嶽)を天然の社としている。自然への畏敬を忘れてはならないというメッセージであるともに、数百年以上に渡り守られてきた証である。 
 続いて参拝したのは石上神宮。こちらも龍王山(りゅうおうざん)の西の麓、布留山(ふるやま・標高266メートル)の北西麓の高台に鎮座し、神さびた自然の姿を今に残し日本最古の神社の一つである。ひっそりと森の中に佇む厳かな雰囲気は、参拝する人々にその歴史の匂いを肌で感じさせていた。豊かな湧き水は山々を潤し、そして多くのミネラル分を溶け込ませながら川に注ぎ込む。下っていく水流は田畑や森林を潤し、そこで無限の生命を生み出し、また一方で地下水となって山頂までまるで血液のように還って行く。この自然の循環をこれらお社が証として守って来たのである。
 ここからほど近い東名阪の天理インターから京都へと北上した。その間に至るところに建設途中の道路があるのを見るに、どれだけ作れば気が済むのだろうかとウンザリする思いがした。京都の中心部はすでに渋滞してなかなか進まない。ようやく動き出したところ、大きな門構えの二条城が目に入った。人が溢れんばかりに取り巻いていた。その時、今まで感じてきた京都のイメージとはあまりにも異質なものが体から沸き上がってくるのを感じた。 美しい古都京都、古きを温めてその伝統を今日まで伝えている。今や日本の貴重な唯一と言ってもいい観光スポットである。それを理由に昨年、米国の旅行雑誌「トラベル+レジャー」で世界の観光都市ランキングで1位に選ばれている。日本の文化に触れることができる格好の場所に違いない。しかしそれでも奈良で見たそれと違って、威厳のある寺や仏像も言い方は悪いが人工物である。時の権力者が作った象徴といっても差し支えないだろう。奈良で無限のものに触れてしまった今、有限のものを限りなく無限に近づけようとする人間臭さをこの時感じていた。
 この日本という国は自然の宝庫である。その自然の恩恵を敬い、万物に神様が宿るという八百万の神々の精神こそ、本来の日本人が持つ文化だったに違いない。今回の小旅行は、日本というこの国を知る意味で大変有意義なものとなった。

パパ、遺伝子組み換え食品ってなぁに?2015.04.01

 遺伝子組み換えと聞くと、つい連想してしまうものがある。20年ほど前に見た「ザ・フライ」という
映画。調べてみたら、何と1958年というから50年以上前に公開された映画のリメイク版だった。
 科学者である主人公が、自分を実験台にして「隣り合う2つのポッドの片方に収めた物体を細胞レベルで分解し、もう片方へ送った後、元の状態に再構築する」という物質転送機の開発に成功する。しかし不運にもその装置の中にハエが一匹紛れ込んでいたため、遺伝子レベルでその科学者とハエが融合してしまう。日ごとに人間ではなくなっていき、ついにはハエに変貌し、最後には思考までがハエと化していくという何ともグロテスクな内容だったが・・・何だか現実味を帯びてきてはしないか。
 今月の25日から名演小劇場で上映される映画、「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」の試写会に行ってきた。家族のお父さんである映画監督自ら、子供目線になって、食べ物について考える素晴らしい映画だった。ぞっとしたのは、ここ数年で遺伝子組み換え作物の割合が急激に増えているということ。アメリカだけで作付面積は日本の面積の1.7倍に及ぶという。作物ごとの割合は、トウモロコシが85%、大豆91%、綿花88%、菜種90%、甜菜90%。中でも遺伝子組み換え食品の輸入大国であるわが国は、トウモロコシの世界最大の輸入国で、その約9割をアメリカに依存し、その量は年間1600万トンになるという。コーンスターチから家畜の飼料、アルコールや醗酵原料にお菓子と、ちょっと目をやれば家庭でどれだけこの遺伝子組み換え作物が使われているかが想像できる。
 自由という言葉は耳当たりは良いが、生きていく上でこれほど難しいものはない。しかし食べることにおいての自由は許されている。何を食べようが個人の自由であるし、これだけは人間社会における数少ないの平等の一つだ。しかしこのままで行くとその食べる自由さえ奪われかねないから深刻な事態である。 この映画監督曰く「今のやり方が進めば、世界のあらゆるものが遺伝子を組み換えられ、特許を取得され、"食"を独占される。すべてをコントロールされ、買う人が食べ物を選択する機会を失われるわけだ。そんな世界を子どもたちに残したいと思うかい?」
 いつの世も、支配しようとする側は、情報を隠蔽するのが常套手段である。遺伝子組み換え作物の安全性やリスクの問題は、原発やリニア、さらにはダムの問題と一緒で情報がなかなか一般市民には手に入らない。だからと言って手をこまねいて見ているだけで事態は良くなるだろうか。一人一人が情報を掴み、そして互いに発信し合わないと、何一つ私達にとって好都合なことはおきないことだけは確かである。
  「もしみんなが遺伝子組み換え作物を買うのをやめたら、お店も置かなくなる。そうすれば会社もなくなるね。」大好きなキャンディーを前にして一瞬たじろぎながら、7歳の息子フィン君の発したこの言葉が胸に響いた。考えてみれば簡単なこと。責任のない子供たちや後世に安全な食べ物を伝えていくことは大人である私達の大切な役割だ。
 是非お子さんもご一緒に、そして一人でも多くの方に見ていただきたい。

「パパ、遺伝子組み換え食品ってなぁに?」
 上映場所 名演小劇場 2015年4月25日(土)~ 
愛知県名古屋市東区東桜2-23-7 TEL:052-931-1701 

日本と原発2015.03.01

 先月の下旬に映画「日本と原発」を観る機会を得た。早いもので3・11から今月で既に4年になる。このドキュメンタリー(実際にあった事件などの記録を中心として、虚構を加えずに構成された映画)を観ることで、改めて今の日本の立ち位置を再認識することが出来た気がする。なし崩しに原発を再稼働する現状を前に、もう一度全国民に見ていただきたい映画と感じた。 大多数の人が原発の再稼働など望んでいないはずであるし、そう願いたい。しかしその願いとは裏腹な方向に着々と進んでいる現実がある。だれも戦争など望んでいないはずなのに、平和憲法を曲げてまで武器を輸出しようという輩が政権を握っている。原発も、ダムの問題も、今度のリニアにしても根っこは同じで国策である。電力にしても鉄道にしても根は国営から民間に移行しただけのことだ。形が変わっただけでやってることは同じである。
 万が一の事故検証もせずに国民の電気料金や税金を使って、同じ国民の土地を収奪し、挙句の果てには問題が起きたらお手上げで人任せ、問題も解決してなければ、避難している人が数多くいる中で、収束さえ不可能な状況である。こんな事故を引き起こしながら経営責任さえ問われない。その上責任をたらい回しにした挙句、再稼働などとよく言えたものである。
 原発でその土地を奪われる人がいる。ダムでもその村は川底に沈み、そこに住んでいた人はその土地を離れなければならなくなる。そんな場所が今でも全国で数多く計画されている。ではリニアはどうだろうか。東京から一直線で名古屋へ地下トンネルを通すと言う。簡単に一直線というが、そこには住んでいる人もいれば多様な生物が生息している。世界有数の自然遺産がある。それらを度外視して建設しようというのがリニアである。リニア (linear) とはlineの形容詞で直線を表すように、直線で進まないと時間がかかってかえって非効率になるシロモノだ。数十分短縮という時間のために、その沿線上の住人の生活や自然環境を破壊する権利がだれにあるというのだろうか。そして誰にとって有益な事業なのだろうか。
 本来、そこに住む人に良くて、更にはそれが日本国民にとっても良いから税金が使われるのが筋である。多額の税金が無駄な堤防や箱物にすり替えられた。しかも安倍政権がこの1年3ヶ月で海外にばら撒いた円借款は52兆円にのぼるという。これが今回の震災や原発事故を経験した国がやることだろうか。
 3・11を機にはっきりしたのは、国家は国民を守ってくれないということである。

 「...沖縄の風土も、本土の風土も、海も山も空気も風も、すべて国家のものではありません。そこに住んでいる人たちのものです。」菅原文太さんが沖縄で語った言葉は、今、すべての日本国民にも当てはまるはずである。人ごとではない。


「日本と原発」イベント予定 http://www.nihontogenpatsu.com/event
名古屋では、3月14日(土)10時から 生協生活文化会館4階ホールにて行われます。
「日本と原発」上映実行委員会 (西) TEL:052-808-3241
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