ヘルシングあい便り

鼠径ヘルニア2016.11.01

 米作り4年目の今年は、おかげ様で台風などの風雨にさらされることなく、無事に収穫を終えることができた。9月中頃から続いた長雨の影響で、出来具合を心配したが、昨年より籾の膨らみも収穫も多かった。その理由は出穂の時期に日照時間が多かったためらしい。お天道さまに感謝、そして手伝ってもらったスタッフ、そして一緒に米作りをしてくれた皆さまに感謝である。ここ数年の米作りを通して、この作業は一人では無理。皆さんと一緒になって、時には手を借りて、おかげおかげで収穫があるということを学ばせてもらった。そしてそれが本来の日本人の姿であることも感じた。だから大家族での生活スタイルが最近まで残ってきたのだろう。米作りから離れたことで助け合いの精神が失われた。核家族となって孤立が深まり、横のつながりも希薄になったのが我が国の現状ではないだろうか。
 昨年の12月に突然倒れて意識を失った父親も、その後毎週月曜日の断食と青汁、そして毎朝のウォーキングと順調な回復をみせていた。しかし、夏ごろから禁酒が解禁となり、晩酌にビール一本が通例となった。ちょうどそれと時同じくして下腹部に時折痛みを訴えるようになったため、再度長寿医療センターへ診察に行ったのが2ヶ月ほど前。鼠径ヘルニアと診断され、簡単な手術で治ると言い渡された。後は本人の希望待ち。9月の末頃から痛みの症状が頻繁になったため、先月はじめに手術をした。手術の前日に入院し、その日は絶食、翌日が手術。その手術に立ち会った。50才前後の先生から手術の内容について話しがあり、あとは控室で待つこと2時間。手術は問題なく終わり、再び先生からの説明があった。驚いたのは、先天的に脱腸の傾向があったということだ。それが肥大していたため半分ほど切除し、網で腸が飛び出す部分を塞いだそうだ。その部分は10年ほどまえに受けた前立腺肥大の手術が原因か、筋肉の衰えかは不明だが、そこから腸が飛び出すようになったということらしい。話しを聞いていて思ったのが先天的という言葉。ということは自分にも可能性がある。ふとよぎったのが、過去に時折襲った不明な痛み。太ももの付け根あたりに鈍痛が走るものだった。早速ネットで調べてみると、どうも私にもその毛があるようだ。症状が一致している。かれこれ4~5年ほど前から続けている体幹呼吸法をするようになってからはメッキリなくなった。他人の振り見て我が振り直せとは、まさしく他人様に起こることは自分自身にも往々にしてあるもので心せよということだと妙に納得した。
 鼠径ヘルニアになる人は年々増加中で、手術に訪れる患者数は年間14~16万人にのぼるという。先天的なものと、加齢によるもの、仕事環境で起きるものなどに別れるらしい。男女比率で表すと、若年層では比率にあまり差はなく、50代以降では圧倒的に男性が多いという。しかし近年は女性も増える傾向にあるそうだ。 そうだ、忘れていたことがあった。4年前から米作りも始めていた。休耕田となっていた田んぼは、深田のために機械が使えない。膝下まで足が沈むためにしっかり重心を落とさないとバランスを崩して作業もままならない。正直辛い。しかしこれも知らず知らずのうちに今流行のインナーマッスル(体幹)トレーニングをやっていたことになる。これも幸いしたのかもしれない。そしてもう一つ思い出したことある。それは両親の希望で和式のトイレを洋式に変えたのがちょうど3年前。これにはかなり反対したが、母親が腰痛を患っていた時期だったため仕方がなかった。和式のトイレは下半身を鍛え、骨盤の弾力を保つ優れた日本の生活様式だった。無意識に身体を使うトレーニングだったからだ。身体に楽を覚えさせればきりがない。そうした身体のツケが、形を変えて私たちに襲ってきているのではないだろうか。身体に起こる異変は、絶えず私たちに原点に立ち返ることを教えてくれていると感じた。

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