ヘルシングあい便り

パパ、遺伝子組み換え食品ってなぁに?2015.04.01

 遺伝子組み換えと聞くと、つい連想してしまうものがある。20年ほど前に見た「ザ・フライ」という
映画。調べてみたら、何と1958年というから50年以上前に公開された映画のリメイク版だった。
 科学者である主人公が、自分を実験台にして「隣り合う2つのポッドの片方に収めた物体を細胞レベルで分解し、もう片方へ送った後、元の状態に再構築する」という物質転送機の開発に成功する。しかし不運にもその装置の中にハエが一匹紛れ込んでいたため、遺伝子レベルでその科学者とハエが融合してしまう。日ごとに人間ではなくなっていき、ついにはハエに変貌し、最後には思考までがハエと化していくという何ともグロテスクな内容だったが・・・何だか現実味を帯びてきてはしないか。
 今月の25日から名演小劇場で上映される映画、「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」の試写会に行ってきた。家族のお父さんである映画監督自ら、子供目線になって、食べ物について考える素晴らしい映画だった。ぞっとしたのは、ここ数年で遺伝子組み換え作物の割合が急激に増えているということ。アメリカだけで作付面積は日本の面積の1.7倍に及ぶという。作物ごとの割合は、トウモロコシが85%、大豆91%、綿花88%、菜種90%、甜菜90%。中でも遺伝子組み換え食品の輸入大国であるわが国は、トウモロコシの世界最大の輸入国で、その約9割をアメリカに依存し、その量は年間1600万トンになるという。コーンスターチから家畜の飼料、アルコールや醗酵原料にお菓子と、ちょっと目をやれば家庭でどれだけこの遺伝子組み換え作物が使われているかが想像できる。
 自由という言葉は耳当たりは良いが、生きていく上でこれほど難しいものはない。しかし食べることにおいての自由は許されている。何を食べようが個人の自由であるし、これだけは人間社会における数少ないの平等の一つだ。しかしこのままで行くとその食べる自由さえ奪われかねないから深刻な事態である。 この映画監督曰く「今のやり方が進めば、世界のあらゆるものが遺伝子を組み換えられ、特許を取得され、"食"を独占される。すべてをコントロールされ、買う人が食べ物を選択する機会を失われるわけだ。そんな世界を子どもたちに残したいと思うかい?」
 いつの世も、支配しようとする側は、情報を隠蔽するのが常套手段である。遺伝子組み換え作物の安全性やリスクの問題は、原発やリニア、さらにはダムの問題と一緒で情報がなかなか一般市民には手に入らない。だからと言って手をこまねいて見ているだけで事態は良くなるだろうか。一人一人が情報を掴み、そして互いに発信し合わないと、何一つ私達にとって好都合なことはおきないことだけは確かである。
  「もしみんなが遺伝子組み換え作物を買うのをやめたら、お店も置かなくなる。そうすれば会社もなくなるね。」大好きなキャンディーを前にして一瞬たじろぎながら、7歳の息子フィン君の発したこの言葉が胸に響いた。考えてみれば簡単なこと。責任のない子供たちや後世に安全な食べ物を伝えていくことは大人である私達の大切な役割だ。
 是非お子さんもご一緒に、そして一人でも多くの方に見ていただきたい。

「パパ、遺伝子組み換え食品ってなぁに?」
 上映場所 名演小劇場 2015年4月25日(土)~ 
愛知県名古屋市東区東桜2-23-7 TEL:052-931-1701 

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