ヘルシングあい便り

感染列島2009.06.01

メキシコで発症した豚インフルエンザは、時間とともに過熱な報道となって日本に上陸した。まさしく映画の感染列島前夜である。マスクはすぐさま底をつき、海外からの入国者にはするどい視線が向けられ、風邪症状の患者を受け入れ拒否する病院や、そんな状況を逆にあおるようなCMに総理自ら出演して加担する始末だ。状況が分からないから情報がほしい。それを公表しないで、落ち着けと言って、だれが落ち着けるだろうか。感染とは、まさしく恐怖の感染である。それが先走り、周りを巻き込むのである。何よりあれだけあおったメディアも、その後は知らん顔のようである。メディアの存在価値とは、真実により近い情報を、リアルタイムで知らせることである。一番知りたい情報は後回しにしておきながら、不確定な情報で誘導し、後になって責任を避ける報道がまかり通るなら、存在価値など一利もないのではないだろうか。
 時間の経過とともに、事実がちらほら新聞の小さな紙面に掲載され始めた。ネット上では、より詳細な情報が次々アップされている。それを垣間見るに、今回も狂牛病の時と同じような、多国籍企業によるずさんな衛生管理が問題視されている。生き物を工業化し、糞尿や抗生物質まみれの豚を売りさばく一方で、死骸が放置されるなどの周辺地域の汚染が、今回のインフルエンザの原因となっているというのだ。牛や、鳥に続き、畜産の過度な工業化が公衆衛生にもたらす大きな氷山の、まだほんの一角かもしれない。一方、米疾病対策センターによると、1957年以前に生まれた中高年層が新型への免疫を持つ可能性があるとの見解を明らかにしたようである。いずれにせよ、疾病に負けない抵抗力をつけることが一番の早道であるとともに、当然のことだが、このような会社が生み出す商品には決して手をつけないことである。どうやら、自然豚という文句で国内にも相当輸入されているようなので気をつけたい。そして、病原菌の好物である砂糖を控え、塩気を補うことを忘れないようにしたい。
 話しは少し変わるが、平日の朝4時ごろから東海テレビで放映されている伊勢神宮の四季という番組がある。その時間帯は、モアイ島や名古屋城などの映像と、日替わりで繰り返し放映されている。全国10万の神社の総氏神である伊勢神宮で、1300年にわたって1年に千数百もの神事・祭儀が行われているそうだ。毎日朝夕毎に神饌が奉られ、特別に調製された御飯・御塩や乾鰹などが供される。累々と一日2食であったことが示されていると共に、主食である米を授かったという事実の伝承を、祭事を通して今まで受け継がれていることに、思わず畏敬の念を感じた。そして主食、食べ物の重要性を、改めて感じずにはいられなかった。伝承が途絶えていくなかで、依然と厳かに続く儀式。そこにスポットをあてるのもメディアの仕事である。時間帯はさておき、こんな感染なら一人でも多く広めたいと思う。
参考:伊勢神宮の衣食住 角川ソフィア文庫  インフルエンザA型 Attcフランス農民連盟

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